17歳で世界大会に優勝したプロのゲーマーが、勝ち続けるとはどういうことか、勝負において何を大切にすべきか、その勝負哲学を説いています。
■勝ち続けるということの意味
「勝ち続ける」というのは、成長し続けるということ。ある時点での実力差、能力差はその後の成長力で必ず埋められる。だから、実は目先の勝負に勝ったか負けたかは「勝ち続ける」事とは必ずしも一致しない。無残に破れた事でより一層成長が促され、勝ち続ける事ができるケースもある。
格闘ゲームは遅くとも2年ほどでプレーするゲームが入れ替わったり、新しいバージョンに切り替わる。そしてそれまでのルールも、そこにぶら下がっていた技術や知識も、一気に陳腐化する。しかし、勝ち続ける事の意味を知り、成長を続けている人は、最終的には確実に有利になり、誰よりも強いところにまで行き着けるようになる。
あるゲームに負け、反省をし、自分の中に成長があれば、それは勝ち続けられている状態にある。表面的に勝つか負けるかは、より高いレベルの勝負になればなるほど、運に左右される事が多くなる。勝負である以上白星であるに越した事はないが、本当の問題は、それらが連続的に自分の成長につながっているかどうかだ。
勝ち続けているかどうかは、中長期的な成長を続けているかどうかによる。目先の勝負に勝つかどうかではない。
勝負の世界は厳しい。勝つために全力を尽くして戦っても、負けてしまう事はある。自分でどう理由をつけて消化しようとも、他人の目には、負けは「負け」としか映らない。それでも、本人が現時点で力を出した事が納得できていて、何かをつかんでいるのであれば、きっと将来の「勝ち」につながる。負けても、勝負を投げた事にはならないからだ。
成長につながっているという満足感があれば、勝ち続けている状態に近づいている事になる。ある勝負をする。もちろん勝ちを目指すけれど、その時点でやるべき事をできていれば、結果は問わない。すると、勝っても負けても必ず得るものがある。成長できる。
本当は勝負の結果ではなく、成長を実感している事が大切である。
著者 梅原 大吾
1981年生まれ。日本人で初めて「プロ・ゲーマー」という職種を築いたプロ格闘ゲーマー 1998年、17歳にして世界一の称号を獲得。一時ゲームから離れていた3年間で、麻雀の世界でもトップレベルとなる。2010年アメリカの企業とプロ契約を締結。「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネスが認定される。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 10分 | |
第1章 なぜ勝ち続けることが大切なのか? | p.33 | 17分 | |
第2章 勝ち続ける自分を設定する | p.67 | 22分 | |
第3章 勝ち続ける基礎を固める | p.111 | 22分 | |
第4章 勝ち続ける知識と思考 | p.155 | 27分 | |
第5章 勝ち続けるメンタルの構築法 | p.209 | 20分 | |
あとがき | p.250 | 1分 |