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2013/10/13更新

世界がもし100億人になったなら

32分

6P

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人口が100億人になったなら

人口が100億人に向けて増え続ける今、予想できる事は、状況はこれからもっと悪くなるという事である。

①土地問題
私達はすでに地球上に存在する農地を使い尽くしている。にもかかわらず、食料生産のための土地の需要は、2050年までに少なくとも2倍になる。これは、世界にまだ残っている熱帯雨林を伐採する事を促す。なぜなら、大規模な農地として使える土地はもうそれしかないからである。

②食料問題
現在の農業のやり方で、そして現在の消費ペースで、100億人の人口を食べさせられる手段は今の私達にはない。それなのに、食料生産性は今後、急激に低下するとみられる。理由は3つ。

・気候変動による異常気象(熱波、干ばつ、洪水)の増加
・土地の劣化と砂漠化
・水不足

今年や来年起こりうる事、これから10年、20年で確実に起こる事を垣間みたいなら、オーストラリア(2008年)、ロシア(2010年)、アメリカ(2012年)を襲った熱波の影響を振り返るだけで十分。穀物やトウモロコシの収穫量が最大4割減少し、数万頭の家畜が死んだ。

これに加えて、食料の未来を脅かす危機が2つある。1つめは肥料の原料となるリン鉱物が今世紀中にはほぼ確実に枯渇する事、2つめは新たな菌類病原体の出現である。

③水問題
数十億人の人々が極度の水不足の状態で暮らす事になる。気候変動の結果、地球の「水循環」にかつてない大規模な変化が起こりつつあり、今世紀に大幅に進むとみられている。さらに農業用の灌漑に欠かせない地下水の使用が急増し、極めて危険な水不足に直面している。

④エネルギー問題
予想される需要をまかなうには、今世紀末までに、エネルギー生産を少なくとも3倍に増やさなければならない。この需要をまかなうには、世界最大規模のダムを1800基、または原子力発電所23000基、または風力発電用のタービン1400万基、太陽光パネル360億個を作らねばならない。

地球環境は壊滅的な分岐点を迎えつつある

地球のような複雑系には、ごく小さな変化が、極めて大きな予測不能の影響を引き起こし、システム全体を引っくり返してしまう分岐点がある。それは、世界の平均気温が2℃を超えて上昇する事である。2℃を超えて気温が上昇すれば、壊滅的な気候変動が起こり、グリーンランドの棚氷が溶けたり、北極圏の凍土から凍ったメタンが気化して放出されたり、アマゾンの熱帯雨林が枯れるといった分岐点に至る。最近の研究では、今のままでは世界の平均気温の上昇は2℃ではおさまらず、もっと上がる事が確実であろうと示されている。

私達に考えられる解決策は「科学技術の力で乗り切ること」と「私達の行動を根本から変えること」の2つである。しかし、どちらもダメだと思う。