注目される80年代生まれの起業家10人に、起業の動機や、今後の人生や目標などをインタビューしたもの。どういう発想でサービスが生まれ、起業する人は何を考えているのかがわかります。
■80年代生まれの起業家
80年代生まれは、米国では「ジェネレーションY」もしくは「ミレニアムジェネレーション」と呼ぶ。幼少期からデジタルに接して育った彼らは、インターネットを使いこなし、柔軟な発想を持っている。複雑に絡み合った日本の社会構造やビジネスの生態系を、再構築するアイデアがでてくるのは、先入観にとらわれずに、この世代であるはずである。80年代生まれの起業家から学ぶキーワードは次の5つ。
①デジタル&ソーシャル
IT技術やソーシャルメディアの発達は、新たなビジネスチャンスを生んでいる。
②グローバル
2010年代の日本人にはグローバルに活躍する優位性がある。
③チーム
起業は孤独な行為ではない。補い合える仲間との共同作業である。
④トライ&エラー
起業に対する社会的リスクは大きく下がっている。
⑤社会貢献
起業の目的はお金だけじゃない。
■海保けんたろー
バンドのドラマーをやりながら、ミュージシャンを支援するサービス「Frekul」を立ち上げた。無料で曲を聴いてもらい、そこからなるべく効率よくライブ・グッズ・ファンクラブに集客する、というのが基本思想である。
音楽で食って行きたかったので、ライブ活動をやりつつ自主レーベルを立ち上げたりとか、色々頑張った。メジャーレーベルからCDが出て「ついに有名になれる」と思ったら、実際にはCD売上はあまり伸びなかった。当然、お金もあまり入ってこなかった。そこで分かってきたのが、1998年以降、日本のCD売上は減り続けているということ。だけどそれはCDから人が離れているだけで、音楽から人が離れている訳ではないということ。だから、CD販売に頼らない新しいビジネスモデルが作れれば、明るい未来が見えるんじゃないかと思った。
まず「デジタルデータは簡単にコピーができるから売り物として適していない。逆にコピーができないもの、例えば体験や物体であれば、これからも価値が保たれるのではないか」と考えた。ミュージシャンが提供する事ができる体験と物体は、ライブ・グッズ・ファンクラブ。そこで「曲データを無料配信するかわりに、ダウンロード時にメールアドレスを教えてもらう」という形に辿り着いた。
■鈴木仁士
最初から会社を作ろうと思ったのではなく、「Wondershake」というサービスを作っていたらそれが会社になった。LINEとかFacebookは友達同士で使うツールだが、考えたのは友達ではない人とつながるアプリ。渋谷と六本木限定で、趣味とか共通の友人とか、どこでつながっているかをアプリが教えてくれるので、すぐにメッセージができてつながれる仕組みである。物理的に近い距離にいる人と、つながる仕組み。でも、半年以上経って、ユーザーの増え方が遅くて、このスピードだと事業としてスケールしづらいと思って、Wondershakeのサービスは止めて、次のサービスを作り始めた。
著者 山口哲一
1964年生まれ。音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト 音楽プロデューサーとして活動中。バグ・コーポレーション代表取締役。『デジタルコンテンツ白書』編集委員。 プロデュースのテーマは、ソーシャル活用・グローバル・異業種コラボの3つ。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 スプリー代表取締役 安藤 美冬 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに~「仕事」に悩んでいるあなたに | p.3 | 4分 | |
伊地知天 | p.15 | 7分 | |
松田晋之介 | p.29 | 7分 | |
浅枝大志 | p.43 | 7分 | |
文原明臣 | p.57 | 7分 | |
海保けんたろー | p.71 | 7分 | |
関根佑介 | p.85 | 8分 | |
野田威一郎 | p.101 | 7分 | |
平山和泉 | p.115 | 7分 | |
鈴木仁士 | p.129 | 7分 | |
西尾周一郎 | p.143 | 7分 | |
おわりに~音楽プロデューサーが起業家との対談集を著した理由 | p.158 | 3分 |
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