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2013/10/05更新

孤立無業(SNEP)

190分

7P

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職を失い社会から孤立する人たちが増えている

働くのを諦めた「ニート」に続く、新しいタイプの未婚無業者「スネップ」が急増している。仕事を失う事で、孤立化していく社会を統計数字を読み解きながら、解説した本。


■孤立無業(SNEP)とは
20〜59歳の在学中を除く未婚無業者の内、普段ずっと1人か、一緒にいる人が家族以外にはいない人々を「孤立無業(Solitary Non-Employed Persons : SNEP)と定義する。

孤立無業は、家族と一緒にいた時間を有する「家族型」とずっと1人でいた「1人型」の2種類から構成される。一方、60歳未満未婚無業者の内、孤立無業ではない人々を「非孤立無業」とする。非孤立無業は、毎日もしくは2日に1日は、家族ではない友人や知人と一緒にいる時間帯がある無業者という事になる。

孤立無業と非孤立無業では大きな違いがある。非孤立無業の場合、社交活動を行わなかった割合は20%と少ないが、孤立無業は41%。つまり、孤立無業は4割以上が過去1年にスポーツや旅行、ボランティアなどの社交活動を全くしていない。この傾向は特に1人型の孤立無業ほど強い。

超短要約

20〜59歳で未婚の人の内,仕事をしていないだけでなく、普段ずっと1人でいるか、そうでなければ家族しか一緒にいる人がいない人達を「孤立無業(SNEP)」と呼ぶ。

孤立無業の状態にある人達は、2011年で162万人に達し、2001年からの10年間で80万人近く増えている。特に問題は、若年層における孤立無業の増加であり、この事が孤立無業全体を急増させる要因になっている。

いまや性別、年齢、学歴によらず、無業者になると誰でも孤立しやすくなるといった傾向が生まれつつある。

孤立無業は、ニートになる原因の1つにもなっている。社会から孤立する事で、働く意欲を失いニートになるという負のスパイラルに陥る。増加する孤立無業を放置すれば、生活保護の増加、労働力不足など、社会全体に大きな問題となって降り掛かってくる。

社会に生きるすべての人達の孤立を食い止める方策を見つける事が、孤立無業をこれ以上増やさないために必要である。

著者 玄田 有史

1964年生まれ。東京大学社会科学研究所 教授 ハーバード大学、オックスフォード大学各客員研究員、学習院大学教授を経て、東京大学社会科学研究所教授。専攻は労働経済学。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ p.1 3分
第1章 孤立無業とは p.11 22分
第2章 誰が孤立無業になりやすいのか p.45 23分
第3章 孤立無業者の日常 p.81 32分
第4章 孤立無業の現在・過去・未来 p.131 31分
第5章 孤立無業に対する疑問 p.179 19分
第6章 孤立無業者とご家族へ p.209 14分
エピローグ p.231 4分

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