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ディープな高齢社会の到来

我々が生き抜いていくべき時代(2011〜2042年)について、高齢者を65〜74歳の前期高齢者と75歳以上の後期高齢者に分けると、高齢化は4つのステージを刻む形で深まっていく。

①2010年代前半
団塊の世代が前期高齢者になる事で、前期高齢者が後期高齢者を上回って増加する。退職し、家での生活時間が長くなる前期高齢者の需要を捉える事が、多くの業界で重要な課題になる。そもそも高齢者というには元気すぎ、自由な時間をたくさん持つ人達が増加する。

②2010年代後半
2016年には前期高齢者数が1762万人でピークに達し、2030年前後まで減り続ける。そして2017年には、後期高齢者数が前期高齢者数を上回り、以降、後期高齢者だけが増加する「ディープな高齢社会」が開幕する。医療費や介護費用がより一層増えるし、店舗まで買い物に出かけるのが困難になる高齢者も増え、宅配事業などがこれまで以上に伸びていく。

③2020年代
2022年には、団塊の世代が後期高齢者になっていく。2023年には、後期高齢者が2000万人を超え、総人口の1/6を占める。2010年代後半に顕在化した市場の変化が、より大きなものになる。

④2030年代
85歳以上の超高齢者が2010年383万人から急速に増え、2035年には1000万人を超える。いま既にその年齢になっている人たちの生活をよく観察し、何が必要かを徹底的に考えていくべきである。

高齢市場の分類

高齢層の消費は、その内部でも年代によって差がある。背景には、一層の加齢による身体や運動能力の衰えや、人生の終末に近づいていくライフステージの変化などがある。高齢市場は、前期高齢者の消費支出の大小、後期高齢者の消費支出の大小という2軸で4つに分類される。

①高齢化の進行により長期的な成長が期待できる市場
健康食品、医薬品、設備修繕・維持、家庭用耐久財、調理食品、食料、飲料、餞別・香典、家事サービス、介護サービス、光熱・水道費

②前期高齢者が減る2010年代後半以降に要注意市場
室内装備・装飾品、酒類、自動車、旅行、教養娯楽サービス、肉類、油脂・調味料、穀類、家事用消耗品、衣類

③後期高齢者が増える2010年代後半以降に成長がありえる市場
保険医療用品・器具(眼鏡、補聴器、杖など)、タクシー

④高齢化の進行により縮小の恐れが大きい市場
通信、履物類、外食

高齢化によって伸びる市場を開拓せよ

①50歳以上の層を中心に市場開拓する
②見やすさや使いやすさへの配慮で需要を掘り起こす
③身体的な加齢に伴うエントリー需要を捉える
④健康と若さの維持を支援するための商品改良をする
⑤ロボットなど支援・介護が必要となる人のための商品を開発する