デジタル時代に必須の「ユーザー・ファースト」の概念をどのように構築すれば良いのかを紹介する1冊。
■ユーザーファースト
ショッピングをする時は、グーグルで検索して商品について調べたり、グルーポンからのメールで新しい情報を得たり、商品比較サイトでリストを見たりする。既にアメリカにおけるオフラインでの購買の内、41%がインターネットを通して始まっており、小売店の売上の7%がオンラインを通してのものだ。つまり、私達は現在、大半の商取引がデジタルで行われる経済環境へと突入している。この新しい経済秩序の中で最も成功している企業は、デジタルなチャンネルを通じて関わる人々のニーズや関心を、常に最優先する。その人々とは「ユーザー」だ。
ユーザーとは、顧客、従業員、見込み客、インフルエンサーなど、デジタルメディアとテクノロジーを通して企業と交流する人々を指す。彼らを満足させ続ければ、顧客基盤も大きくなる。ユーザーを惹き付け、彼らと交流し、長期的な関係を築くには、「シンプルさ」を提供する事だ。なぜなら、ユーザーがネットを利用するのは、ただ自分の目的を果たしたいだけからだ。企業はもっと多くの時間をユーザービリティを検討する時間に割くべきだ。
卓越したユーザービリティを実現するためには、ユーザーファースト企業の「7つのフレームワーク」を同時に実行させる事が大切である。
社会のデジタル化により消費者の購買行動、コミュニケーション、情報収集のやり方に変化が起きている。かつて、企業と消費者の接点は店舗と広告がほとんどだったが、状況は一変した。しかし、現代において、以下の7つのフレームワークがきちんと働けば、企業とユーザーとの接点はあらゆるところに無数にあらわれる。
①ユーザー中心の経営
②同心円型の組織体制
③使い捨てテクノロジー
④社会的使命に基づいた製品
⑤ユーティリティ・マーケティング
⑥TCPFセールス
⑦ハイブリッド・カスタマーサービス
ユーザー中心の経営、同心円型の組織体制、そして使い捨てテクノロジーのような、ユーザー中心型の経営を推進する仕組みから最大限の利益を得るためには、外部のタッチポイントがすべて機能し、同じユーザーファーストのメッセージを送るよう互いに調和しているべきだ。
これが実現された時、企業はありのままで、ユーザーが意識しないぐらい自然にそして完全に、ユーザーに尽くす存在となる。その献身的な姿勢に対してユーザーは財布の口を開き、クチコミを続けてくれ、そしてそれが企業全体の業績を高めていく。
著者 アーロン・シャピロ
HUGE CEO グローバル企業の再創造を援助するデジタルマーケティング会社、HUGEのCEO。前職はテクノロジー起業家、ベンチャーキャピタリストおよび経営コンサルタント。
tokuriki.com 徳力 基彦 |
帯 トランスコスモス・アナリティクス副社長 荻原 雅之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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イントロダクション ユーザーファースト ―デジタル時代のビジネスを左右する最も重要なコンセプト | p.9 | 17分 | |
第1章 ユーザー中心の経営 ―成功する企業に共通する経営手法の秘密 | p.31 | 31分 | |
第2章 同心円型の組織体制 ―なぜどんな社員であってもユーザーと繋がれるのか? | p.71 | 34分 | |
第3章 使い捨てテクノロジー ―オバマが採用した開発手法とは? | p.115 | 22分 | |
第4章 社会的使命に基づいた製品 ―コモディティ化の波を乗り越える4つの手法 | p.143 | 25分 | |
第5章 ユーティリティ・マーケティング ―広告に代わるデジタル時代における真のマーケティングとは? | p.175 | 34分 | |
第6章 TCPFセールス―ユーザーを顧客に変えるには? | p.219 | 26分 | |
第7章 ハイブリッド・カスタマーサービス―デジタル時代に求められる新しいサービスの形とは? | p.253 | 28分 | |
おわりに シフトする ―今からでも遅くはない。ユーザーファースト企業になろう | p.289 | 22分 |