闘争心を燃やせ
ビジネスの世界ではとりわけ闘魂が求められる。企業経営や日々のビジネスは真剣勝負であり、激しい競争にさらされているのが常である。リーダーはどのような状況に遭遇しようとも、「絶対に負けない」という激しい闘争心を燃やし、その姿を部下に示していかなければならない。
しかし、強い意志を持ち、燃えるような闘争心を持ったリーダーが、今の日本の大企業の経営陣にはなかなかいないのが現実である。事なかれ主義で、失敗を恐れ、問題に真正面から対峙しようとしないようにさえ見える。戦後の産業界には、松下幸之助氏、本田宗一郎氏、井深大氏ら気力のある人たちがキラ星のごとく存在した。もう一度、そういう経営者が輩出するような社会にしていかなければならない。「燃える闘魂」を持ったリーダーが立ち上がり、奮起さえすれば、日本は必ず再生できるはずである。
経営目標を共有する
人々が決してできる訳がないと言った事を、人が決してできる訳がないといった方法で、私は実現してきた。だからこそ、今日の京セラがあり、KDDIがある。つまり、人が「決してできない、やれるわけがない」と常識で考えている事であっても、果敢に挑戦し、誰にも負けない努力を払い、日々凄まじい根性をもって、創意工夫を繰り返し、取り組んでいく。経営者にはそういった、勝利を収めるまで果てしなく戦い抜くような闘魂が、絶対に必要なのである。
大切な事は、その闘魂が経営者だけのものであってはならないという事である。従業員を含め、企業全体がそのような「燃える闘魂」を持った集団であるべきなのである。それには、従業員の共感を得る事が大切である。経営目標という経営者の意志を、全従業員の意志に変えるのである。そのためには、経営者自身が燃える闘魂を持って、経営目標の実現に向けて邁進すると共に、集団の意識を高めていかなくてはならない。その方法は「今はまだ小さいが将来は大きな発展が期待できる」という事を常日頃から繰り返し、ベースをつくっておいた上で、酒を酌み交わしながら「今年は倍ぐらいに売上を伸ばそう」と切り出すのである。
不況をチャンスに変える方策
経営者には「命を賭して従業員と企業を守る」といった気概と責任感が必要不可欠である。これも経営者に求められる闘魂の一つであろう。不況はつらく、苦しいものであるが、それを次の飛躍へのステップとしていかなくてはならない。不況を成長のチャンスとする具体的な方策としては、次の4つが挙げられる。
①従業員との絆を強くする
②あらゆる経費を削減する
③全員で営業する
④新製品、新商品の開発に努める