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2013/09/18更新

稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方

181分

5P

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要するにマッキンゼーレベルの力を身につけよ

アベノミクスでは経済は良くならない。現在の日本経済の構造的な問題を指摘しながら、企業における個々人のスキルを高める必要性を説いた1冊。グローバル時代に求められる働き方とは、要するにマッキンゼーレベルの仕事をできるようになれということのようです。


■日本経済低迷の根本的理由
安倍首相と黒田日銀総裁による「アベクロバブル」は遠からず終わりを迎えるだろう。安倍首相が根本的に理解していないのは、日本経済の低迷は構造的な問題であるという事だ。

この20年間の日本の直接投資残高を見ると、対外投資は急増しているが、対内投資はほとんど増えず、2011年末時点で対外投資が対内投資の4.3倍に達している。つまり、日本企業が海外投資を拡大する一方で、海外からは全く投資を呼び込めていない。国内の産業が空洞化し、雇用は流出するばかりで創出されていない。これで日本の景気が良くなる訳がない。

日本には海外から投資を呼び込んで国内の雇用を創出する組織がない。しかも、日本政府は外国からの投資にインセンティブを付けるような優遇策も全く導入してこなかった。国家にとって最も大切なものは「雇用」である。この構造を今こそ改めるべきだと認識しなければならない。

超短要約

■人間力こそがカギである
この5〜6年で「日本のアメリカ化」が本格化している。「アメリカ化」とは、強い産業が海外に出ていく事だ。例えば、IBMやゼロックス、TIといったアメリカ企業は、いずれも労働コストの安い海外で生産した製品をアメリカに輸入して販売するようになった。つまり、強い企業は海外生産したものを輸入するため、メーカーでありながら「輸入業者」になってしまう。現在、キヤノン、パナソニック、ソニーなどの製品の大半は、中国や東南アジアなどで生産して輸入したものである。これが10、20年続くと後戻りできなくなる。円安になっても、すべての部品会社が戻ってくる訳ではないため、多くのメーカーは戻ってこない。

ではどうすればいいのか? カギは「人間力」にある。第1の解決策は、労働力の流動化だ。雇用にもっとフレキシビリティを持たせ、国境を越えた流動化を起こさなければならない。さらに外国人労働者の受け入れも重要だ。能力があって人件費が割安な外国人労働者を国内で確保できるようになれば、企業はわざわざ海外に出て行く必要がなくなる。

■仕事を再定義せよ
社員一人一人の「稼ぐ力」を問うには、まず「仕事の再定義」が必要だ。例えば、管理職が部下や外部の人間に業務を依頼する場合、本来はクオリティや納期など仕事の内容をSLA(サービス・レベル・アグリーメント/どのような業務品質を提供するのかの取り決め)という形態で、はっきり具体的に定義しなければならない。ところが、今の日本企業には、これまでの惰性で働いていて「成果を生み出す仕事」をきちんと定義できていない経営者や管理職が少なくない。仕事や成果が曖昧なままでは、社員は「自立」して働く事はできない。

日本企業の最大の問題は「仕事が定義できていない」事である。会社の仕事には、標準化できる「定型業務」と標準化できない「非定型業務」がある。例えば、人事や経理のかなりの部分、コールセンターは前者であり、新しい商品を企画するというような自分の頭で考えて答えを見つけていく仕事は後者である。

本来、ホワイトカラー社員は、非定型業務だけをやるのが正しい。定型業務と非定型業務を明確に分け、定型業務についてはできる限り、IT化やアウトソーシングしなければならない。

著者 大前 研一

1943年生まれ。経営コンサルタント、経済評論家、起業家 カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授、ビジネス・ブレークスルー大学学長。 「平成維新の会」設立以前から、日本国の設計ビジョンを提言。震災後には、ビジネス・ブレークスルーの衛生放送や講演を通じて、日本復興への道程を提言している。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき 一人一人の「稼ぐ力」が問われている p.3 4分
第1章〈現状認識Part1〉 日本企業は今、何に苦しんでいるのか p.17 26分
第2章〈現状認識Part2〉 これからの日本企業に必要な人材とは p.57 22分
第3章〈新しい働き方研究〉 世代別「稼ぐ力」をどう鍛えるか p.91 25分
第4章〈企業経営分析〉 産業“突然死"に備えるケース・スタディ p.129 25分
第5章〈人材教育〉 求む! 日本と日本企業を強くする新世代人 p.167 17分
あとがき この国をダメにした「偏差値」を廃止せよ p.193 7分

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