「小が大を食う」ポイント
①じっくり計画を練って攻めに出る
獲物をつけ狙っている内は、サメは攻撃の機会をうかがっているだけだ。だが、獲物が間違った動きをした途端、直ちに襲いかかる。攻撃に出る前に獲物をじっくり監視し、戦略を練り上げる事を忘れてはならない。相手が最強の企業であっても、衰退の諸段階をつぶさに観察すれば、攻め落とすチャンスは増す。攻撃を企てる際には、顧客の不満の声をキャッチしよう。ジェットブルー航空は、他の航空会社に対して不満を抱いている顧客をツイッターで追跡し、自分たちの顧客として取り込む事に成功している。
②歴史や伝統にとらわれてはならない
攻撃は海面のはるか下、大企業が身を守る事に最大の困難を感じる場所から始めよう。海の深くには、様々なトレンドやビジネスチャンスが渦巻いている。そこからヒントを得て、大企業に対抗できる別のソリューションを生み出す事ができる。
③パニックを効果的に引き起こす
サメがダイバーを試す方法は、背後から忍び寄り、振り向いたダイバーと間近で目と目を合わせるのだ。ダイバーの心臓の鼓動が乱れていないかをチェックし、たやすく食ってしまえる相手かどうか判断するのだ。
④市場調査はサメのごとく行う
サメは獲物を一口食ってみて、口に合えば攻撃を続行する。もし、旨くなければ、エネルギーや時間を浪費せずさっさと次を探す。サメは攻撃性が高いほど、素早く戦略を改善できるようになる。
⑤死角を突いて食らいつく
サメが獲物を付け回すのは、必ずしも攻撃するためばかりでない。狩りの成功率を高めるための知識を得るためでもある。反撃されるリスクを冒す事なく食らいつけるよう、死角を探すのだ。ほとんどの獲物は自分の中核事業に集中していない。その結果、目指すべきではないものにまで手を伸ばして隙ができる。大企業が新たな市場への参入や別の事業分野への乗り出しに際して起こす行動は、プレスリリースだ。だが、これは他のサメたちを引き寄せる結果になり、市場シェアの獲得に必要以上のエネルギーと金がかかるだけだ。
⑥予測不可能な攻撃を仕掛ける
サメが狙うのは、餌が簡単に手に入りそうな最も守りの手薄な場所だ。技術系の人々は、オフラインの世界には極めて疎い。オフラインの企業の場合は、逆にオンラインの観点から攻めればいい。
⑦攻撃の要はタイミングにある
サメは獲物を待ち伏せして、攻撃を仕掛けるのに有利な状況が整うのを待つ。ソーシャルメディアは音波探知機のようなもの。うまく使えば、攻撃を仕掛けるずっと前から獲物を調査できる。
⑧動かなければ生きられない
サメは泳ぎ続けなければ死んでしまう。常に試行錯誤を重ね、様々なタイプの獲物に攻撃を仕掛けるための戦略を修正し続ける事により、適応能力は強化される。