人とのつながりを断たれることへの不安こそ「恥」の正体である。そして、他人と比較して自分にナルシズムを感じる原因は「恥」にある。つまり、不安の裏返しに、自分を優位に見せようとする心理が働いている。しかし、それは結局、人とのつながりを壊していく。必要なことは「恥」から回復する力。
TEDで人気の著者が、「恥」を乗り越えるための方法を説きます。
■ナルシズムの原因は「恥」
「あの人たち」を非難して「自分はましだ」と思わせてくれる論理には、私たちは気をよくするものだ。ナルシズムが話題になる時、たいてい軽蔑や怒り、批判などが込められている。
ナルシズムはその大小にかかわらず恥に根ざしている。ヴァルネラビリティ(もろさや傷つく可能性のある状態)というレンズを通してナルシズムを見つめると、恥に根っこを持つ、平凡である事への不安が見えてくる。本当の自分は「注目され、愛され、居場所を持ち、目的意識を培えるほど、特別な人間ではない」という不安である。人は皆、平凡である事への不安には弱いし、自分のしている事には意味があると信じたい。だが、それは時として特別でありたいという欲求と区別がつかなくなる。尊大な態度や特権意識、称賛への欲求は、結局のところ痛みを悪化させ、人とのつながりを壊していく。
私たちは、安全、愛、金銭、資源などを自分はどれだけ持っているか、他人はどれだけ持っているかを勘定する事に、膨大な時間が費やす。この絶え間ない査定や比較は、私たちを自滅させる。
この欠乏感に対抗できるのは、豊かさではない。充足感であり「偽りのない心」である。偽りのない生き方とは、自己肯定感に立って人生に深く関わる事である。勇気と思いやり、人とのつながりをはぐくみ、朝目覚めた時に「何を成し遂げたか、どれだけやり残した事があるかに関係なく、私はこれで良い」と思う事ができ、夜眠りにつく時に「私は完璧ではないし、弱みがあり、時には不安にもなる。それでも私に勇気がある事や愛され、居場所を持つに値する事に変わりはない」と思える事である。
著者 ブレネー・ブラウン
ヒューストン大学ソーシャルワーク大学院研究教授 画期的な研究は、公共放送サービスPBSと公共ラジオ放送NPRで紹介され、Ted.comの2つのトークのテーマともなった。
帯3 作家 グレッチェン・ルービン |
帯4 ジャーナリスト マリア・シュライヴァー |
帯5 臨床心理学者 ハリエット・レーナー |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 作家 セス・ゴーディン |
帯2 作家 ダニエル・ピンク |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.16 | 8分 | |
1章 「いつも何かが足りない」という不安 | p.29 | 7分 | |
2章 「傷つくこと」について私たちが誤解していること | p.41 | 16分 | |
3章 「恥」というグレムリンを退治する | p.69 | 34分 | |
4章 なりたい自分になるために、武器を手放すということ | p.127 | 34分 | |
5章 理想と現実のギャップを埋める方法 | p.185 | 7分 | |
6章 人間性を取り戻す破壊力のある関わり | p.197 | 17分 | |
7章 「偽りのない」子育てのための終章 | p.227 | 22分 | |
おわりに | p.264 | 2分 |
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