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2013/09/22更新

コンビニの店長だった私が上場企業の社長になった今も大切にしている商売の心得

116分

2P

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30坪のお店が教えてくれた商売の心得

①経済効率だけでお客はやってこない
店長研修の時、あと1時間ほどで雑誌の納品時間だったので、雑誌棚を空けて納品されたらサッと並べられるように準備していたところ、先輩社員のカミナリが落ちた。雑誌というのは、お客様の動線の中でもまず目に付きやすい。それが空っぽでは「ちょっと雑誌をチェックしてから何か買おう」というお客様を逃してしまうかもしれない。コンビニという世界では、そうした「いつも欲しいものがある」というお客様の期待に応えられるかどうかが商売の基本。お客様にとっての効率を考えなければならないと教えられた。

②売り場に自ら立つ事が最高の仮説になる
どうすればモノやサービスが売れるのか分からない時には、実際に売り場に立ってみる事が重要である。コンビニ店長時代は、常に売り場やレジに立ってお客様の様子を見ていた。お客様との何気ない会話の中から近隣のイベントをキャッチしたりするのは日常茶飯事。コンビニ店長の中には、バックルームにずっとこもって発注作業をしていて、レジが混んできた時だけ飛び出してくる人もいるが、そういったタイプの店長は大抵成績が伸びていない。

③大事な数字こそ疑え
データ上の数字だけを見るのではなく、必ずモノが売れている場所に立って「その場で仮説を立てる」という事が大事。例えば給料日前の24日と25日では、お客様の買い物の仕方が変わる。給料日前は390円のお弁当を迷わず手に取った人が、給料日後は500円以上のお弁当で悩む光景はよくある。この時に、データだけを見て売れ筋の390円のお弁当を多めに発注すれば売れるかもしれないが、500円以上のお弁当を選びたかったお客様の機会ロスをしているかもしれない。

④人が変わるのではない、売れるものが変わる
流通小売ビジネスでは、売上拡大のために「新しいお客様を増やせ」と言われるが、通常新しいお客様が何百人も増える事はない。それでも売上が伸びるのは、お客様の数や顔ぶれは変わらなくても売れる商品が変わるからである。売上が伸びないというのは、売れる商品は日替わりで変わるのに、同じ品揃えしかできていないから売上が伸びないということ。売れるものの変化を追いつつ、その場で「売れる要因をつくる」という、売ろうとする動きをどれだけできているかという事も、商売では重要である。

⑤コンビニを動かすのはシステムではなく人
コンビニの店舗で人が機能するのとしないので違いが表れるのは、「リピート客」がつくれるかどうか。システマチックに運営されているセブン・イレブンでも、店舗スタッフの差が売上に大きな影響を与える。顔見知りのお客様が来店したら、声掛けするぐらいの事をしなければならない。大事なのは地域のお客様に気持ちよく買い物をしてもらえるようにすること。