銀行員からコンビニ店長となり、起業して上場企業の社長になった著者の物語。セブン・イレブンで学んだことや、起業して学んだことなど、流通・小売ビジネスで大切なことが書かれています。
■銀行員からコンビニ店長へ
大学を卒業し、三和銀行に入って配属されたのは茨城県の土浦支店。そこに人生を左右する2つの出会いがあった。1つ目は、土浦支店の先輩に、タリーズコーヒージャパンの創業者となる松田公太さんがいたこと。2つ目は、流通小売業ビジネス。90年代初め頃の茨城県には、スーパーのカスミグループ、ファミレスのココス、カジュアル衣料のライトオンなど、有力な流通系企業の本店があり、流通ビジネスの勢いと可能性を肌で感じた。
銀行に入行する時点で、在籍するのは長くても5年と決めていた。その間に、将来自分の手でやってみたいと思える業界や業態を見つけよう、そんな事を考えていた。当初から設定していた銀行員生活のリミットに合わせて、中小企業診断士の資格勉強をしていたが、その学校の先生がセブン・イレブン出身の有名なコンサルタントだった。
4年間という銀行員生活のタイムリミットを迎え、セブン・イレブンの採用試験を受けて入社。わずか30坪のコンビニ店舗での店長経験が起業につながるまでの、様々な商売の心得を教えてくれた。
起業やビジネスの成功というと、どうしても他がやっていないような派手なこと、目立つ事に注目しがちだが、本当は人目を引かないような地味な事の中にも、継続すれば大きな差がつけられる事がたくさんある。
どんな仕事でも基本が大切なのは同じこと。とりわけ小売業では、その基本は難しい事ではない。難しいのは、その基本を確実に実行する事だということ。地味な継続力こそが、売上、利益の源泉になる。
著者 福井 康夫
1968年生まれ。大学卒業後、旧三和銀行入行。融資営業の担当業務を通じ流通業に興味を持つようになり、1995年セブン-イレブン・ジャパンに転職。 店長として売り上げを拡大しながらも、最も残業の少ない店長と言われる。その後スーパーバイザー(OFC)を経験した後、情報システム本部にて店舗システム推進、新規事業の立ち上げを経験。 約8年にわたる流通現場の経験を生かし、2004年メディアフラッグ設立。事業コンセプトは「“IT"と“人"をキーワードに、流通業界に新しい価値を創造する」。 流通小売業向けアウトソーシング事業を展開し、2012年に東証マザーズに上場を果たす。
帯 俺の株式会社 代表取締役 坂本 孝 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
第1章 仕事の原点 | p.13 | 6分 | |
第2章 わずか30坪のお店が教えてくれた商売の心得 | p.25 | 13分 | |
第3章 働く仲間から学んだ店長の心得 | p.51 | 16分 | |
第4章 セブン-イレブン鈴木会長の教え | p.83 | 17分 | |
第5章 経営者になって身にしみた経営の厳しさ | p.119 | 15分 | |
第6章 今も大切にしている経営の心得 | p.149 | 18分 | |
おわりに | p.188 | 2分 |
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