旧国鉄の経営立て直し、民営化に携わり、りそな銀行の再生を行った細谷英二氏が語る企業再生の極意。りそな銀行では、公的資金による企業再生が始まって、どのようなことが行われたのか、その全体像が書かれています。一度死んだ会社を立て直すために必要な基本的なことがわかります。
■国鉄とりそな
旧国鉄、りそな銀行に共通していたのは官僚的な組織文化だった。規制産業である鉄道や銀行は、どうしても永田町や霞ヶ関を意識した経営になり、お客様は二の次になってしまいがちだった。
旧国鉄の民営化がうまくいった要因はヒト、モノ、カネの流れを変えた事が大きかった。過去の過剰債務を国鉄清算事業団に一部移し、旅客6社などがサービス改善や技術開発を意識し始めた。組織が顧客を意識し始めたから、顧客数が2割増えた。
りそな銀行で行った企業再生の手順は次の通りだった。
①「負の遺産」の整理する(公的資金の注入、不良債権処理)
②企業文化、社風を変える(顧客目線のサービス導入)
③大企業病を予防する(社外取締役の過半数採用)
④後継者を育成する(後継者推薦制度、社内マネジメントスクール)
著者 細谷英二
1945年生まれ。りそなホールディングス 元会長 大学卒業後、旧日本国有鉄道入社。1987年の国鉄分割・民営化作業に関わった後、東日本旅客鉄道に入り、2000年副社長。2003年からりそなホールディングス会長。2012年11月逝去。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ | p.2 | 9分 | |
1時間目 企業再生の極意 改革は最初の100日が勝負 | p.29 | 16分 | |
2時間目 企業風土の改革 銀行の常識は世間の非常識 | p.67 | 10分 | |
3時間目 大企業病の予防策 社外取締役と女性は正しく使え | p.91 | 14分 | |
4時間目 カリスマと後継者 社内に4%の「鬼」を育てよ | p.125 | 6分 |