脳の2つの領域の強さがPQを決める
心の中には「妨害者」がいて、幸福や成功を得ようとするたびに邪魔をする。妨害者とは、無意識の内に習慣化した様々な心のパターンであり、あなたの利益を損なうように働く。もう一方の側には賢者がいて、知恵、洞察力などの力を引き出してくれる。妨害者と賢者は脳の別々の領域からエネルギーを受けていて、その領域が活性化された方が強力になる。両者の相対的な強さがPQレベルを決める。
・妨害者
①裁判官:自分自身や他人、状況に対してたえず粗探しさせる
②潔癖性:行き過ぎた完璧さ、秩序、整理整頓を求める
③八方美人:人を助けたり、お世辞を言う事で受け入れられようとする
④優等生:たえず実績をあげないと、自分を大切にできなくなる
⑤犠牲者:感情的になったり、気まぐれになることで、注目や愛情を得ようとする
⑥理屈屋:すべてを合理的に処理しようと考える
⑦こわがり:危険に常に過敏になり、不安を覚えるようになる
⑧移り気:忙しさで気を紛らわせる
⑨仕切り屋:不安にかられ、周りの人間を自分の意思に従わせずにいられない
⑩優柔不断:心地良い事ばかりに注目する
・賢者
①共感力:自己や他人に共感を持って接する
②探求力:好奇心と開かれた心を持つ
③革新力:新たな視点や独創的な解決法を生み出す
④方向づけ:自分の価値観や使命感にふさわしい方向を選ぶ
⑤実行力:断固たる行動をとる
PQを改善する3つの方法
①妨害者を弱める
妨害者を弱めるには、妨害者の思考や感情が現れるたびに、よく観察してラベル付けをするだけでいい。「おやおや、また裁判官が現れて、おまえは失敗すると予言している」というように。
②賢者を強める
「あらゆる結果、状況を贈り物、チャンスとして受け入れる」賢者の視点に切り替える。その上で、誰もが持つ賢者の5つの力を高める。
・共感力→子供をイメージし、共感や愛情を感じる
・探求力→熱心な人類学者の役割を演じる
・革新力→アイデアを思いつくたびに「確かに、さらに」と述べていく
・方向づけ→人生の最後の瞬間の視点から振り返る
・実行力→妨害者の行為を予測し先回りする
③PQ脳を鍛える
大人になるほど生存脳を理想する割合が増え、報酬によって反応が強化されていく一方、PQ脳は衰退していく。しかし、PQ脳の筋力は活用する事で、比較的短期間で大幅に強化できる。多くの研究により、身体的知覚に注意を集中する事と、PQ脳の領域を活性化させる事には関連があるとわかっている。
身体や五感のいずれかに可能な限り注意を集中させ、10秒間続ける。これを毎回100回行う。椅子にかかった身体の重みを感じる、本の感触を感じる、呼吸に意識を集中する、耳をすませる、こうした事で回数を重ねていける。