戦略PR×インバウンド×CRM
インバウンド・マーケティングの展開イメージは次のようになる。
①戦略PRで話題を世の中に広める
戦略PRでキモとなるのは、商品情報や企業メッセージを、世の中の流れや生活者のマインドとリンクさせながら、「これならば世の中に広まるだろう」というコンテキスト(文脈)をつくる事だ。その際に最も重要なのは、コンテキストと連動した「キーワード」である。検索されやすいキーワードを広める「キーワードPR」が重要な考え方となる。
②インバウンド・マーケティングで見つけてもらって、自社サイトへ来てもらう
インバウンド・マーケティングでは「WEB周り」の施策をどう展開するかが特に重要になる。必要になるWEB施策は次の通り。
・SEM/リスティング広告
生活者が検索したワードに合わせて、検索結果ページの広告欄に広告を掲載する。代表的な施策が「リスティング広告」だ。
・SEO
一番効果的なのが「キーワード」をどう選定するかだ。例えば「FX」というワードは競合他社がしのぎを削る典型的なワードのためコストがかかる。そこで「戦略PR」を活用する。小額から運用できるFXを「スモールFX」と名付け、新しいキーワードを作る。戦略PRでキーワードを世の中に広め「スモールFX」で検索される数を増やす。
・アフィリエイト
アフィリエイト(成果報酬型のネット広告)を活用して話題を広めたい企業は、アフィリエイト・サービス・プロバイダーに広告掲載を依頼する。
・ディスプレイ広告
WEBメディアの広告枠に戦略PRの考え方に基づいて、バナー広告を掲出していく。
③CRMで優良顧客化していく
顧客データベースの管理・運用で重要なのは「現時点での優良顧客」を把握する事だ。優良顧客に向けて、営業的な投資を積極的に行っていくのがいい。なぜなら、「上位顧客20%で利益の80%を獲得する」からだ。
「優良顧客」が明確になれば、その候補である「顧客」と「集客すべき対象」もはっきりする。CRMでは、消費者に自社サイトなどに「居続けてもらう」ためのコミュニケーションを図る。
④マーケティング施策を分析ツールで効果測定し、次に活かす
CRMで効果を上げるには「分析」「仮説構築」「実行」「検証」というPDCAサイクルを回す事が重要だ。つまり「どの経路からどの属性の人がどれくらい流入しているか」「投下したコストがどれだけの利益を生んでいるか」といった事を見極めていく。
マーケティングに近道はない。論理的思考とクリエイティブの感性で、顧客データベースのインフラを整え、PDCAサイクルを回していく。そうする事で、その企業にふさわしいマーケティングの成功例が出てくる。