人気ストラテジストが、株式投資の入門書に書かれていないプロの技を伝授。相場の予想ではなく、投資のロジックを組み立てて、実行に移す事の大切さを説く。
■予想に至るロジックが大切
相場に限らず、世の中は不確実性に満ち溢れている。従って予想というものは当たったり外れたりするものだ。だから単に予想の当たり外れを云々するのではなく、その結論に至るまでの思考の道筋、すなわち「ロジック(論理)」の立て方が重要になってくる。
■バブルは繰り返される
バブル崩壊や金融危機というものは何度も繰り返されるものである。リーマン危機は「100年に一度の危機」などと言われたが、ざっくり言って10年に一度は危機が訪れる。小さい波まで数えれば5年に一度、ショックがくる。相場とはそういう5〜10年単位の大きな衝撃をいかに乗り越えていくか、その対処で成否が決まる。
株式投資に最も縁遠い人たちが相場の話をし始めたら、そろそろバブルも過熱していると思った方が良い。日頃はファッションやグルメにしか興味がない女子大生や若いOLたちが『Can Cam』ではなく『ダイヤモンドZAi』を読み始めたら、そろそろ危ないと思った方がよい。
銘柄選択も大切だが、それよりもっと重要なのは、銘柄を選んだ後、株を買った後の行動様式である。常に株価をモニターする。シナリオ点検を怠らない。もしシナリオに狂いが生じたらすぐに売る。売却をためらわない。そのためにルールを決めておく。損切りをする。利食いをする。売った値段以上でまた買い直す事もある。そんな事をタイミング良く行う事の方がずっと重要だ。
未来の相場は予測するのではなく、自らの行動を正しく行う事で、投資の未来が開ける。
著者 広木 隆
1963年生まれ。マネックス証券チーフ・ストラテジスト 1987年大和証券に入社。その後、資産運用業界に転身し、国内系、外資系の運用会社を渡り歩き、株式投資の最前線に20年以上携わる。2010年より現職。 幅広い資産クラスの運用および長年のバイサイドの経験で培われた明快な投資戦略をユーモア交える語り口で綴られるストラテジー・レポートが好評。
帯 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 楠木 建 |
PRESIDENT (プレジデント) 2013年 9/16号 [雑誌] |
WEDGE |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 3分 | |
第1章 80年代バブル以来の大転換 | p.13 | 15分 | |
第2章 「相場を読む」とはどういうことか | p.39 | 13分 | |
第3章 入門書では教えてくれないプロの技 | p.61 | 22分 | |
第4章 相場を読む PART2 | p.99 | 30分 | |
第5章 何を買うか | p.151 | 13分 | |
第6章 リスク要因の視座 | p.173 | 25分 | |
第7章リスクシナリオを超えて | p.217 | 12分 | |
最終章 今を生きろ 明日を望め | p.237 | 9分 | |
あとがき | p.252 | 2分 |
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