問題を見つける力
「問題を見つける力」の第一歩は、日頃から「疑問を大切にする」習慣の大切さを理解し、それを身につける事である。「気になる」「面白そう」「どうしてだろう」といった感覚的なものを放置してはいけない。そこに「問題の種」が潜んでいる。
コツは「自分はいつも何かを考えている」と自覚する事である。そのためには、思いついた事をメモしておく事が役に立つ。但し、それだけでは「思考の堂々巡り」によって放置しがちになる。意識的にそこから一歩だけ、考えを進めること。思考に行き詰まった時は、「自分は何を、何のために考えているのか」を意識する事が肝心である。
私たちが直面する「分からない」は3つのパターンに分けられる。
①事実を知らない → 答えの調べ方を考える
②答えが分からない → 自分の頭で考え始める
③何が分からないか分からない → 何が分からないかを明確にする
この内、「何が分からないのかを明確に意識する」という過程こそが、「問題を見つける力」の最も肝心な部分である。「何が分からないのか」がクリアになれば、問題・解決ははっきりする。「何が分からないのか分からない」という状態を解消するには、関係のありそうな情報や事例をたくさん集めて調べる事で「何が分かっていないのか」を明確にすればいい。情報収集では「答えを探さない」ように注意すること。答えが見つかれば、それはそもそも「事実を知らなかった」だけで、取り組むべき価値のある課題ではなかったという事になる。
集めた情報を分析し、理解した後は、元の情報を捨てる。捨てる事で頭の中を空っぽにし、今直面している情報に意識を集中できる。「同じ情報を一度探す手間」よりも「読み切れない量の情報をストックし続ける事によって、集中できずに意識が分散するリスク」の方が大きい。「問題を見つける」極意は、情報を集め、内容を理解した上でそれを捨てる事にある。
解く力
創造的な問題には、決まった答えがあるとは限らない。しかし、問題を広角的に分析し、多角的な対策を立てる事で「答えが1つに決まっていない問題」にも対処は可能である。
課題が現れた時は、それに関する情報を徹底的に集めて、類型化し、要素に分解する。さらに想定される課題を洗い出し、それを新たに類型化する事で自らの弱点を1つ1つ克服すれば、どんな課題にも柔軟に対応する事ができる。
諦めない人間力
一朝一夕に答えが出せるようなものではない問題にこそ、時間を費やし頭脳を働かせ続ける価値がある。大発見のほとんどは、長い時間をかけた格闘の末に誕生している。
正解を誰も知らない問題を解決する道のりは、「トライ・アンド・エラー」の連続と言える。長い時間をかけて、試行錯誤を繰り返すには「諦めない人間力」が必要である。