グローバルIT企業において、30代で本部長を務めている著者が、30代で成長する人の特徴を解説。30代からいかに成長するか、その戦略を紹介しています。
■初速思考とは
これだけ変化の激しい時代にあっては、スピード感こそ、競争優位の源泉である。スピード感があるかないかで、残酷なほどに明暗が分かれてしまう。経験の量と思考の質、知識に大きな差が生まれてしまう。
初速思考とは、「見える結果をすぐに出す」ための思考法と行動法である。スピードをコントロールし、「見える結果」をすぐに出して成功事例をつくり、その成功要因を分析して、一気に展開する方法である。
30代で活躍できるかどうかは、走りながら考えられるかどうかという事である。どんどん行動するような「走れるだけのタイプ」でも、思考をめぐらしてプランを練り上げる「考えるだけのタイプ」でも頭打ちする。
■初速思考を90日で実践する
初速思考で仕事する人は、走りながら考える。計画は思い通りにいかない事を前提にしつつ、6割程度で見切り発車する。その代わり「見える結果を出す」までの初速にこだわる。これを達成した後、その行動をすぐに振り返って成功要因を分析する。その成功事例を引き金にして、一気に展開する。
「90日プラン」を立てて結果を出す事にこだわって仕事を進めるのは、自分の成長を加速させる上で有効な方法である。90日プランでは、3つのフェースに分けて、アクションプランを組み立てていく。
①初速(1〜30日)
「見える結果」までのスピードを重視する。6割程度でもいいので、ある程度で計画の作成を見切り、動き出しを早め、行動量とその振り返りの量を増やしていく。日々の行動の中から小さな成功体験を蓄積していく。
②加速(31〜60日)
①での経験から成功要因を分析し、それぞれシーン別、シチュエーション別にカテゴリー分けする。そして、結果へのインパクトが最も高いと思われるカテゴリー別に優先順位をつける。同時に、その成功要因に行動を集中させて最初の30日よりも高い成果を出す。
③成功のパターン化(61〜90日)
①と②から最も効果の高かった成功要因をもとに、作成していた計画を修正する。「成功のパターン化」を行い蓄積していく。効果が発揮できた成功要因を、他のところへと一気にヨコ展開して広げる。
著者 金田 博之
1975年生まれ。SAPジャパン チャネル営業本部 本部長 大学卒業後、1998年SAPジャパンに入社。入社以来、マーケティング本部で社長賞受賞、29歳で異例の副社長補佐への抜擢をはじめ、30歳でSAPジャパン史上最年少で部長に着任、35歳で営業企画本部本部長に就任、36歳でSAPジャパンのチャネル営業を統括する責任者に就任するなど、「史上初」「史上最速」を代名詞に、それぞれのステージで結果を残す。 アメリカ・ドイツ・アジア各国はじめ様々な国の人とともに働き、結果を出した業績が認められ、グローバル全社70000人の上位2%にも7年連続で選出されている。 「日経ビジネスアソシエ」「THE21」「日経トレンディ」などメディア掲載実績多数。
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 09月号 [雑誌] |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 2分 | |
序章 初速思考 | p.17 | 16分 | |
第1章 経験と時間をムダにしない「1行」記録術 | p.49 | 19分 | |
第2章 ミスやトラブルを防ぎ「最低速度」を上げる | p.89 | 12分 | |
第3章 成功パターンをかけ算して「最高速度」を上げる | p.113 | 22分 | |
第4章 「初速」で一気に差をつける90日プラン | p.159 | 18分 | |
第5章 最速で結果を生み出すチームの90日プラン | p.197 | 16分 |
90日変革モデル 企業変革を加速させる3つのフェーズ (Harvard Business School Press) [Amazonへ] |
企業変革力 [Amazonへ] |
「経験学習」入門 [Amazonへ] |