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2013/08/22更新

「経営」が見える魔法のメガネ ― あらゆる課題が解決する究極の「見える化」教えます。 (日経ビジネス経営教室)

86分

2P

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「ないと困る」会社を目指せ

企業が目指すべき目標は何か。企業の価値とは、社会をはじめ、株主や顧客、社員などの利害関係者からの信頼度を合計したものである。「ないと困る度合い」と言える。

企業を経営する上で最も重視すべきなのは誰か。顧客は企業価値を評価しつつ、売上と利益という対価を頂き、企業価値を創る存在である。だから、企業価値活動においては、顧客が最も大切な存在だと結論付けられる。最も大切な存在である「顧客」にとって、「なくてはならない会社」になればいい。それが、ダントツ経営の目指す姿だ。

まず、他社に負けない強みを探す。その強みを磨きに磨き、ダントツ商品を作り上げる。次に、ダントツ商品を生かしたサービスを生み出す。顧客にとってなくてはならない存在になれば、ダントツ経営の実現に近づく。

「見える化」が強くする

コマツは、社内や建機状況、世界経済の動向など可能な限り見える化している。これができれば、会社が抱える問題の大半は、解決したも同然である。

・マーケットの見える化
経営に一番大切なのは、マーケットの見える化だ。コムトラックスは位置を把握するためだけに、取り付けたのではない。コムトラックスからは、建機の稼働時間をはじめ、燃料の残量や冷却水の温度など車両の状態、作業負荷やCO2の排出量など多様な情報が通信回線を経由して送られてくる。

メーカーにとって、販売した商品の使われ方が分かるのは大きなメリットである。商品の開発や改良に、お客様の視点で取り組む事ができる上、稼働状況は市場動向の先行指標となる。2011年春には、中国で建設機械の需要が急速に減ったが、この時コマツはいち早く中国市場の変調を見抜いて、生産にブレーキをかける事ができた。

・現場の見える化
コマツはモノ作りの基本として「五ゲン主義」を掲げている。これはファクトを見える化するための基本になる。

①問題が起きている現場に出て
②現物を具体的に調べて
③データで現実を直視し
④物事の原点に立ち返り
⑤問題を顕在化し共有する

・社内の見える化
コマツでは、部門責任者やグループ会社の社長などが毎月の結果を報告する際には、必ずバッドニュースから書く事になっている。経営者にとって重要なのは悪いニュースである。コンプライアンス違反が起これば会社の存続に関わる。

経営者がそれほど優秀でなくても、見えてさえいれば経営できる。経営者に求められるのは、周囲の意見にとらわれず本質を見抜く力。いくらデータを集めても、数字をどう見るかで判断は変わる。若い頃から、会社や所属する組織全体の状況を数字で見る訓練をしておく方がいい。