「事業性×独創性×社会性」を経営理念に
そこで作り上げたのが「事業性、独創性、社会性の融合」というフレームだった。
・事業性
事業で収益を上げ、持続的に成り立つ事は極めて重要であり、数字や事業性をおろそかにしてはいけない。
・独創性
仕事が楽しいのは、今までにないものを創り出すこと、未知の事にチャレンジすること、そんなワクワクするような仕事をする時ではないか。そうしたワクワク感が、仕事のエネルギーにもなるし、ビジネスの差別化にもなる。
・社会性
会社には数字もオリジナリティも大事だが、社会に貢献できる存在にならなければならない。
あらゆる事業について、事業性、独創性、社会性の輪を表現する事を考える。この3つの輪が交わるところを目指すのを事業の基本的な考え方にした。この考え方を言い出した25年前には、周囲の反応は極めて冷たいものだった。しかし、今、フェリシモでは、事業性×独創性×社会性を追求した数十ものプログラムが進行中である。
フェリシモの仕事
・「フェリシモの森基金」
この基金で疲弊した森を復活させませんか、と呼び掛けた。環境にやさしい商品をカタログで販売するだけでなく、環境をつくるための基金を募る。一つの商品として、1口100円で何口か申し込んで頂くという仕組みである。プロジェクトは23年が経過した今も続いており、総額で約4億円に達している。国内外38カ所で1900万本あまりの植樹をした。
・「ハッピートイズ」プロジェクト
フェリシモ本社が入っているビルの1階には、毎年大きなクリスマスツリーが飾られる。この時、展示されている色とりどりの「ぬいぐるみ」は、フェリシモのお客様による手づくり作品である。このぬいぐるみは、展示が終わると国内外の子供たちにプレゼントされる。
お客様がカタログから告知を見つけてキットを買い、ぬいぐるみ作って送ってくれる。お客様はお金を払っても、手元には何も残らない。それでも、その数は毎年数千点を超えるのだ。全世界に寄贈するために集まったぬいぐるみは、すでに46000体を超えている。
・「9.11Tシャツ」
1枚1200円のTシャツに、基金として300円を加算して1500円で販売する。基金は、9.11に関連して、両親を失ったアメリカの子供たち、そしてアフガニスタンの子供たちを支援するために使う。真冬に売り出したこのTシャツは、これまで累計で17万枚を超える大ヒット商品になった。
・「生活雑貨大賞」
年2回、お客様から生活雑貨商品のアイデアを募集している。そして、優れた提案は商品化を図り、実際にカタログに掲載して販売する。最も人気の高かった企画を提案して頂いた方には「生活雑貨大賞」が授与される。応募は毎年1000通を超えている。