ハーバード大学の提唱する「意見のつくり方」など、欧米での教育方式をベースに、「自分で考える力」を身につけるための方法を紹介。説得力を持った意見を持つには、どうすればいいのかという基本的なロジックがわかります。
■「自分の意見」の作り方
欧米のよい学校では、意見を作るための3ステップを教えてくれる。
①あるコトについて自分はどれだけ理解しているのか、確認する。
②あるコトについて理解できていない事は何か把握し、「理解できていないこと」を解決するために、調べる
③自分の意見を持つ
大事なのは「あるコト」に対する理解を深める事なしに、いきなり「意見を持つ」という段階に飛ばない事である。
日本の学校教育はいわゆる「正解主義」に重きを置いていて、1人1人の「答え」や「意見」を尊重するような考え方については、ほとんど教えてくれない。一方、アメリカのハイクスールではじっくりと主体的に考えるための思考法「クリティカル・シンキング」が20年以上も前から導入されている。
クリティカル・シンキングで重要視されるのが「根拠」である。意見や主張には「よい」根拠がなければ、説得力がない。
■自分の意見を作るための「考える手順」
①理解を深める
・理解できていない事は何か、きちんと挙げてみる
・理解できないない事をなくすために、効果的な質問を考える
・質問をするクセをつける
②視点を広げる
・他の立場にいる人になりきって考える
・何にでも反対するもう1人の自分を作り、ツッコミを入れてみる
③未来から、より現実的なアクションを考える
・現実のものとなったら何が起きるのかのシナリオを作る
・必然性から行動を見直す
④「意見」ができる
⑤批評・反論を自分のものにして意見を磨き上げる
著者 狩野 みき
慶應義塾大学、聖心女子大学、ビジネス・ブレークスルー大学講師 グローバル水準の考える力・プレゼン力・作文力を指導するスクール、Wonderful Kids主宰。子どもの考える力教育推進委員会、代表。 20年にわたって、大学等で「考える力」と英語を教える。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
日経トップリーダー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 2分 | |
Lesson1 「自分の意見」の作り方―なぜ、私たちは「想定外」に弱いのか | p.11 | 15分 | |
Lesson2 理解を深める―「事実らしきもの」を前に考えをとめない | p.37 | 22分 | |
Lesson3 視点を増やして発想を広げる | p.75 | 25分 | |
Lesson4 未来のシナリオで現実的な選択肢を手に入れる | p.119 | 25分 | |
Lesson5 上手に「意見を交換する」ために欧米人が持っているルール | p.163 | 23分 | |
Last Lesson 「?」に気づくことが「考え」のはじまり | p.203 | 9分 | |
あとがき | p.218 | 3分 |
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