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2013/08/13更新

人間にとって成熟とは何か (幻冬舎新書)

155分

1P

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人間はどうあるべきか

人生をいつも楽しく生きている人と、いつも不平不満を言っている人がいる。人はどうすれば幸福になれるのか。人はどうあるべきなのか。

『老いの才覚』や『人間の基本』などベストセラーを持つ作家が、80歳を超えて考える「生き方」を説く。


■正しい事だけをして生きる事はできない
人は公平、幸福、順調が何より好きだが、心の一部では、そうでもない要素も求めている。つまり、不公平である事は充分知りつつ、時には桁外れの豪華な暮らしや、家柄の故に不当に裂かれる悲恋も好きなのである。

世の中は矛盾だらけだ。だからいい事だけがいいのではない。時には悪い事も用意されていて、その中から選ぶ自由も残されていた方がいい。少なくとも、社会の仕組みにおいては、いささかの悪さもできる部分が残されていて、人間は自由な意思の選択で後悔したり、最初から賢く選ばなかったりする自由があった方がいい。

人間社会の上に善悪の区別がはっきりしている事を信じている人を避けている。そこには人間理解の根本がないと思うからだ。何が社会や相手にとって正しくいい事かはそんなに簡単にはわからない事が多い。

超短要約

■「権利を使うのは当然」とは考えない
成熟した人間というものは、必ず自分の立場を社会の中で考えるものだ。昔はお互いの立場がもっと曖昧模糊としていた。すべての援助の元は、個人の惻隠の情だけだった。国家も社会も、長い間、高額なお金を必要とする治療に手を貸そうなどという発想は全くなかった。手を差し伸べる方も控え目なら、受ける方も充分に遠慮して受けるのが当時の人情であり礼儀だったのだ。

ところが最近では、受けて与えるのが人間だという自覚は全く薄くなった。「もらわなきゃ損よ」とか、そういう言葉をよく聞くようになった。他人のお世話にならずに生きていられる人などいない。しかしどれだけお世話になったかを見極められない人には、何の仕事もできない。

■「問題だらけなのが人生」とわきまえる
人生では、老人にとっても若者にとっても、先進国に住む人にとっても途上国の貧しい暮らしをする人でも、安心して暮らせるという状況は決してないのだ。人生は、常に問題が続いていて当たり前だし、不足に思う事があって当然なのだ。むしろそれが人生の重さの実感だとして、深く感謝すべきなのである。

■辛くて頑張れない時は誰にでもある
人生には「為せば成る」のではない場合もある。人間にとって大切な1つの知恵は、諦める事でもあるのだ。諦めがつけば、人の心にはしばしば思いもしなかった平安が訪れる。しかし現代は、諦める事を道徳的にも許さないおかしな時代になった。この世に徹底して諦めない人ばかりいると、どうも疲れる。

人間はただ辛くて、それほど頑張れない場合もある。諦める事も1つの成熟だ。その場合、充分に爽やかに諦める事ができた、という自覚は必要だ。そうすればずっと後になって、自分の死の時、あの時点で諦めて捨てるほかはなかったという自覚が、苦い後悔の思いもさしてなく、残されるだろう。

著者 曽野 綾子

1931年生まれ。作家 同人誌『ラマンチャ』『新思潮』を経て、山川方夫の紹介で『三田文学』に書いた「遠来の客たち」が芥川賞候補となり23歳で文壇デビュー。 24歳で『新思潮』同人の三浦朱門と結婚。以後、次々に作品を発表。

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土井 英司

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第一話 正しいことだけをして生きることはできない p.10 7分
第二話 「努力でも解決できないことがある」と知る p.23 7分
第三話 「もっと尊敬されたい」この思いが、自分も他人も不幸にする。 p.36 6分
第四話 身内を大切にし続けることができるか p.48 7分
第五話 他愛のない会話に幸せはひそんでいる p.61 6分
第六話 「権利を使うのは当然」とは考えない p.73 9分
第七話 品がある人に共通すること p.90 6分
第八話 「問題だらけなのが人生」とわきまえる p.102 7分
第九話 「自分さえよければいい」という思いが未熟な大人を作る p.115 7分
第十話 辛くて頑張れない時は誰にでもある p.128 6分
第十一話 沈黙と会話を使い分ける p.140 6分
第十二話 「うまみのある大人」は敵を作らない p.152 7分
第十三話 存在感をはっきりさせるために服を着る p.165 6分
第十四話 自分を見失わずにいるためには p.177 7分
第十五話 他人を理解することはできない p.190 6分
第十六話 甘やかされて得することは何もない p.202 7分
第十七話 人はどのように自分の人生を決めるのか p.215 6分
第十八話 不純な人間の本質を理解する p.227 7分

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