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2013/08/16更新

クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命 (NextPublishing)

181分

1P

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クラウドソーシングの拡大

クラウドソーシングは、ICTの進歩により、2010年代に入り急速に拡大している。クラウドソーシング企業団体の調査によれば、主要15サイト売上(仕事の発注額)は、2009年1億4000万ドルから、2011年には3億7500万ドルと拡大。登録者数も629万人と急増している。

利用企業の多くがクラウドソーシングを通じて人材を調達する事により、コストが下がる点や人材を見つけるのが容易になる点に魅力を感じている。現在、北米はクラウドソーシングの受発注の中心地、欧州は仕事の供給源、アジア太平洋はワーカーの供給源となっている。平均時間給は、西ヨーロッパ15.8ドルと最も高いのに対し、インドは7.2ドルと、およそ半分になっている。

グローバル市場で競争している企業は、国内のクラウドソーシング活用企業だけでなく、海外のクラウドソーシングを活用しているライバル企業も相手にしなくてはならない。クラウドソーシングをフル活用する事で、50〜90%のコストダウンや4〜10倍の開発スピードアップ化が実現できた例が報告されている。経営層はクラウドソーシングを含めた外部資源を、どう取り入れるかが喫緊の課題となる。

クラウドソーシングの個人への影響

現時点において、すでに多くのホワイトカラー人材がクラウドソーシング市場から調達可能である。そこで問題となるのが、従来型の正規雇用における賃金とクラウドソーシング市場で得られる報酬額の差だ。

・代替が比較的容易な人材の場合
クラウドソーシング市場で得られる人材への報酬額は、従来型正規雇用者の1/10〜1/4程度。従って、正規雇用者はクラウドソーシング人材に切り替えられていくか、給与が大幅に削減される。

・代替が困難な人材の場合
従来型正規雇用者の1/2または2倍以上の場合がある。

クラウドソーシング市場では、どこの誰であろうとも市場での評価と実績によってのみ、時間給が決定されてしまう。そして、ホワイトカラー職種の人材は、この影響から逃れる事は不可能である。個人がクラウドソーシング時代を生き抜くためには2つの可能性がある。

①生活コストの低い国や地域へ移住する
単純な作業を行うワーカーは、生活していけるだけの収入を得る事が難しい。

②ホワイトカラー職種以外の職に就く
例えば、人と直接接する必要のある仕事や特定の場所で行う事が要求される仕事がこれに当たる。

一定量の従来型雇用のニーズは存在し続ける。しかし、給与はクラウドソーシング市場における同職種の時間給などが基準となるため、雇用形態こそ従来型であっても、大幅減になるだろう。今までのように就職さえしてしまえば、ほぼ無条件で一定の給与が保証される社会ではなくなる。ワーカー個人の意識改革も必要になる。