どのように部下のモチベーションを高めて、部下を動かすか。慶應ビジネス・スクール教授が、多くのマネジャーが悩むこの問題の解決策を理論的に解説しています。特に部下を持つ30、40代のミドルマネジャーにとって、実用的な内容になっています。
■マネジメントに最も大切なたった1つのこと
マネジメントされる部下たちは、次のような疑問や悩みを抱えている。
「自分にこの仕事が任された理由がわからない」
「自分の仕事は会社にとって本当に意味があるのか」
「自分の本来の力を発揮させてもらえない」
つまり、会社における自分の仕事と存在の価値に対して、答えを求めている。マネジャーの本質的な仕事とは、そうした部下たちの疑問や悩みを解決する「適切な情報を配る」事である。部下たちはこの事がわかると確実にやる気になり、惜しみなく力を発揮してくれる。その結果として、日常の部下とのコミュニケーションはスムーズになり、上司の期待に沿った行動と成果が得られるようになる。これを「『配る』マネジメント」という。
人間が主体性を持って仕事をするためには「自分がどういう状況にあるか」「その状況の中で自分はどんな判断をするか」「どんな行動をとるのか」といった事を知る、認識するという事が必要である。
マネジャーの最も大切な仕事は「部下の動機付けを上げる」事である。自分が持っている目標達成のためには、部下の協力が欠かせない。そのために、マネジャーは、部下に会社の情報を「配る」必要がある。
著者 高木 晴夫
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)教授 MBA課程で「組織マネジメント」科目を長年にわたって教えている。専門は組織行動学。人が人の集団を動かすための研究を続けており、教育でもその成果を持ち込むことで、教員と学生による双方向型の活発な授業運営を行う。 1978年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、1985年助教授を経て、1994年より現職。 2011年、NHK の番組「白熱教室JAPAN」のために、慶應ビジネス・スクールのMBA学生総計200名とともに4回の授業を行い、日本におけるハーバード流ケースメソッド授業として、その熱気あふれる対話型授業が4回にわたって放映された。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 2分 | |
イントロダクション マネジャーに最も大切なこととは | p.13 | 12分 | |
第1講 「配る」マネジメントを実践する基礎知識 | p.33 | 14分 | |
第2講 個人とチームを動機付ける方法 | p.57 | 23分 | |
第3講 マネジャーは「情報」を獲りに行く | p.95 | 12分 | |
第4講 経営専門能力とキャリアを向上させる | p.115 | 17分 | |
第5講 マネジャーが知っておくべき人事部の存在と中身 | p.143 | 14分 | |
第6講 マネジャーは職場の危機にどう対応するか | p.167 | 17分 | |
第7講 優れたマネジャーは変革とイノベーションを目指す | p.195 | 15分 | |
おわりに | p.220 | 2分 |
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