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2013/09/13更新

新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由 (講談社プラスアルファ新書)

140分

3P

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あらゆるインフラが欠如している

先進諸国が徐々に経済制裁を緩和し、ミャンマーは「アジアのラスト・フロンティア」として、ビジネス的に脚光を浴びている。しかし、半世紀にもおよぶ「鎖国政策」によって、ミャンマー経済はあらゆる事が立ち後れている。

①電力
ミャンマー進出を考える企業が最も問題視するのは「電力」問題だ。そもそもミャンマーは資源大国であり、小規模ではあるが石油やウランも産出される。豊富な埋蔵量を誇る天然ガスはタイや中国に輸出され国家財政を支えている。にもかかわらず、経済制裁下にあって、資金も技術もなかったため、発電所を作る事ができなかった。絶対的に発電量が不足している上に、送電設備の老朽化も激しく、都市部でも停電が頻発する。そのため、工場やレストラン、一般家庭でも発電機は必需品である。

②交通
日本の国土の1.8倍の面積があるミャンマーでは、イギリス植民地時代から全土に鉄道網は張り巡らされている。しかし、電力不足と技術不足により車両は「汽車・ディーゼル車」だ。道路設備も遅れており、高速道路も多くの設計上の問題を抱えている。

③金融
ミャンマーには金融制度もない。中央銀行は、政府の都合によって適当に紙幣を発行する機能と、為替や金利を主要銀行からヒアリングして発表する機能しか持たない。銀行は国営銀行が4行、民間銀行が約20行存在するが、ほとんど貸付業務は行っていない。インフレもあり、ミャンマーでは資産は、不動産、金、宝石など「現物」で保有するのが一般的なので、預金を集めて貸し出すという役割は機能していない。未だにどの銀行でも支店間のオンライン化もできておらず、通帳も全て手書きだ。

④医療
政府が運営する病院があるにはあるが、医療機器や医薬品が不足しているため、大きな手術ができる病院はほとんどない。富裕層は、病気になったらシンガポールやタイに出て手術治療を受けるのが当り前。

ミャンマーの可能性

今後のミャンマーには、様々な可能性がある。

①インフラ不足
ミャンマー進出を検討する企業にとって、インフラの不足はむしろビジネスチャンスと捉えるべきだ。国民にとって必要なインフラならそれはいつか必ず誰かが作る。それは早い者勝ちなのだ。

②地理的アドバンテージ
ミャンマーの北には中国が、西にはインドがある。この2国を合わせれば、人口は20億人を超す。しかも、ミャンマーはインド洋に面しており物流の拠点となりうる。

③豊富な地下資源
ミャンマーの軍事政権が4半世紀生き長らえたのも、豊富な地下資源、特に天然ガスのお陰だ。宝石も然り。ヒスイ、ルビー、サファイア等の宝石は世界一の産出国だ。