結果や目標をいったん手放す
意識を「今ここ」に集中させていれば、常に自分のいるべき場所にいる事ができる。そのためには、少なくとも一時的に、目標へのこだわりを捨てなければならない。成し遂げようと思っている成果ではなく、成し遂げるまでのプロセスに集中する事を目標とすれば、あらゆるプレッシャーから解放される。そして、自分で自分をコントロールできているという感覚になる。
意識して目の前のプロセスに集中していれば、目標に向かって努力する前向きな姿勢を維持する事ができる。けれど、最終的な成果のみに意識を向けていると、目標を達成できないという苛立ちに絶えず悩まされるだけでなく、練習で失敗するたびに、自信をなくしていく事になる。最終目標は、練習を進めるための「舵」と考えて、出来不出来の目安にしない事だ。
完璧を求めない
人生で感じる不安は、大抵の場合「すべての物事は、ある時点で完璧になる」という考え方に端を発している。僕たちは身の回りのあらゆるものを分析し、自分の理想像と比べて、今の自分に評価を下している。そして、より大きな家、より高い収入、より良い車を求めている。
しかし、これが理想だと思っていても、あっという間に新しい理想が現れる。問題は、この「理想」というものが、大体は非現実的で、実現不可能なものだということ。そして、ほとんどの場合、真の幸福とはあまり関係がない。
何であれ「これが完璧」というイメージを持ってしまうと、幸せへの道から外れてしまう。「真の完璧」は、1つの状態だけに限定されない。常に進化していくものだ。僕たちが今ここに集中する理由は、ものや社会的地位から得られない幸福感を手にするためだ。そうやって手にしたものは、時間が経ってもなくならないし、いつもそれを感じる事ができる。そして、完全に自分のものだと言える。
4つのS
プロセスに集中する力を高めるには、できるだけ簡単な方法で実践していく事が大切だ。
①シンプルに捉える(Simplify)
内容を噛み砕いて把握し、シンプルに捉える。シンプルに捉えた目標を一つひと達成できれば、やる気が生まれ、プロセスに集中し続けられる。
②小さく分ける(Small)
大きな目標を、小さな目標に分ける。自分が問題なく集中できるくらいの大きさにする。
③短く区切る(Short)
例えば、何をするにも一日45分だけなら、なんとかやり遂げる事ができるだろう。
④ゆっくりと行なう(Slow)
自分のやっている事に、十分な注意を払えるくらいのペースで行なう。ゆっくりしたペースで丹念に作業を進めると、無駄なエネルギーを使う事がないため、最低限の労力かつ最短時間で、物事をやり遂げる事ができる。