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2013/08/02更新

ネットのバカ (新潮新書)

156分

1P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

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99.9%はクリックし続ける奴隷

ネットではあくまでも現実世界での知名度、影響力がそのまま反映されてしまう。さらに現実社会の階層構造より険しく厳しいネット世界の頂点を占めるのは、現実社会の有名人にネット上のプチ有名人を足した内の僅か0.01%に過ぎない。ネットでは普通に頑張ったところで、食えるようにならないため、現実よりも厳しいと断言できる。

ネット上のツールは最初は一部のマニアや先進的な人が飛びつき、活用するが、最終的には「有名人」「芸能人」がそこに参入して、場を支配してしまう。基本的にネットの世界ではこのストーリーがリピートされている。

芸能人のネット進出に伴い、テレビを熱心に視聴する層がネットに参入した事で「ウェブはバカと暇人のもの」化が進んでいく。2007年以降、ブログの世界は芸能人、有名人に席巻されてしまった。旧来からのネット愛好家は、ツイッターに場所を変え、2010年初頭まで、ツイッターはネットリテラシーが高い人々の世界となった。だが、ここにも再び芸能人・著名人が進出するのだ。

多くの芸能人、有名人がネットに手を染める目的は「カネ」である。それをわかりやすい形で示したのが一連の「ステマ騒動」だ。ペニーオークション詐欺事件では、それを宣伝した芸能人の名が続々と報じられたが、これを信じてしまうネットユーザーがいるのが何ともバカバカしい。

いくらネットが万人に開かれたツールであろうと重要なのは「誰が言うか」なのだ。残念だが我々はその事実を認めた方が無駄な夢を見ないで済む。元々の実績も人気もない人間が突然ネットでショップを始めたとしても、すぐに売上に繋がる訳ではない。ネットはあくまでも、リアルの場で実績がある人をさらに強くするものなのだ。

ネットの影響力は、一握りの有名人が、ほぼ全体を占める一般人に一方的に影響を与えるというピラミッド構造になっている。あなたの1クリック、1いいね!、1RTはすべて強者をより強者にするために使われている。いわばあなたは「クリックする機械」でしかない。

一般人の勝者は1人だけ

但し、ネットは1つのジャンルにおいては、ごく少数の成功者を作り出す事が可能だ。

ツイッター界の小学生アイドル枠の人気者 はるかぜちゃん
ネット界の積極的活動系若手女子の人気者 はあちゅう
ブログ界のおちゃらけ系社会批評枠の人気者 ちきりん

まだ誰も手に付けていないジャンルを見つけて、そこで第一人者となれば、注目される可能性は高くなる。そうなりたいのであれば、既存の切り口ではないところから見つけるべきだろう。例えば「コンビニアイス評論家」を名乗るアイスマン福留氏。

ネット運営に携わる人々はその1つの枠を獲得すべく、新たなジャンルを必死になって開拓しているのだ。