『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの企画・運営に携わってきた著者が、現在のネット階級社会の真実を語る。ネットで成功することの難しさ、ネットでウケるための法則、炎上しないための論理など、ネットリテラシーを高める1冊。
■ネットほど発言に不自由な場所はない
雑誌というメディアは棲み分けができており、編集部ごとに「言っていいこと悪いこと」が明確に存在している。韓流ファン向けの雑誌と同様、ネットでぺ・ヨンジュンについて悪い事は書けない。
ネットの言論に関する代表的な誤解として「自由さ」以外に挙げられるのが、「集合知」といった考え方。多くの人が集まる事で、おかしな人は排除され、理想的な言論空間が生まれるといった考え方である。
実際のところはどうか。ブログよりも簡単に始められて、速報性を持つツイッターによって、ネットリテラシーの低い層が大量にIDを取得。バカらしい事象が次々と起きるようになってしまった。彼らは熱心な芸能人フォロワーとなるほか、自身の飲酒運転自慢、駅の改札突破自慢など自己申告。ツイッタ−は「バカ発見器」を呼ばれるようになった。
■ネットでウケる12カ条
情報発信の形態は様々だが、人々の嗜好はほぼ同じ。人間はいつになろうがあまり変わらない。
①話題にしたい部分があるものの、突っ込みどころがあるもの
②身近であるもの、B級感があるもの
③非常に意見が鋭いもの
④テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフー・トピックスが選ぶもの
⑤モラルを問うもの
⑥芸能人関係のもの
⑦エロ
⑧美人
⑨時事性があるもの
⑩他人の不幸
⑪自分の人生と関係した政策・法改定など
⑫「ジャズ喫茶理論(自己顕示欲を満たす)」に当てはまるもの
■ネットで叩かれる12カ条
①上からものを言う、主張が見える
②頑張っている人をおちょくる、特定個人をバカにする
③既存マスコミが過熱報道していることに便乗する
④書い手の「顔」が見える
⑤反日的な発言をする
⑥誰からの手間をかけることをやる
⑦社会的コンセンサスなしに叩く
⑧強い調子の言葉を使う
⑨誰かが好きなものを批判する・酷評する
⑩部外者が勝手に何かを言う
⑪韓国・中国をホメる
⑫反社会的行為を告白する
著者 中川 淳一郎
1973年生まれ。ネットニュース編集者・PRプランナー 一橋大学商学部卒業後、博報堂で企業のPR業務を請け負う。2001年に退社し、雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。2012年から「瞬刊!リサーチNEWS」編集長。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 ネットが当たり前になった時代に | p.7 | 11分 | |
第1章 ネットの言論は不自由なのものである | p.26 | 12分 | |
第2章 99・9%はクリックし続ける奴隷 | p.47 | 16分 | |
第3章 一般人の勝者は1人だけ | p.75 | 7分 | |
第4章 バカ、エロ、バッシングがウケる | p.88 | 14分 | |
第5章 ネットでウケる新12ケ条、叩かれる新12ケ条 | p.114 | 12分 | |
第6章 見栄としがらみの課金ゲーム | p.135 | 8分 | |
第7章 企業が知っておくべき「ネットの論理」 | p.150 | 17分 | |
第8章 困った人たちはどこにいる | p.180 | 12分 | |
終 章 本当にそのコミュニケーション、必要なのか? | p.201 | 12分 |
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