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2013/07/26更新

戦略PRの本質―実践のための5つの視点

  • 井口 理
  • 発刊:2013年6月
  • 総ページ数:187P

120分

8P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な
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記事や報道に露出するだけがPRじゃないのです

電通のPRプランナーが、戦略的なPRとは何かを説く。PRは広告のオマケではない。PRはメディアに記事として取り上げてもらうだけの事ではない。あるべきPRの姿を説明しています。


■戦略PRの本質
今でも、企業におけるPRとは、そのほとんどが「自社のアピール活動」として理解されており、「パブリシティ=記事・報道露出」の域を出ない。つまり、記事化や報道といったメディアでの露出がPRそのものだと思われがちだが、これは大きな間違いである。パブリシティは、CMと同様、コミュニケーション施策の1つの手法でしかない。

本体PRとは、より上位概念で存在すべきものだ。PRという活動を通じ、生活者の視点を把握し、企業メッセージにフィードバックする。つまり、CMやパブリシティ、Web、イベント、店頭等において、それぞれどのようなメッセージを発していくのかをプランニングする、またその反応を見て次回に活かしていく循環型コミュニケーションを俯瞰すべきなのがPRである。

戦略PRとは「広告やその他の施策におけるメッセージやタイミングを含め、よりマクロ的に連動を図っていく事により、生活者の関心や理解度を上げていく仕組み」だと考えれば、見え方が変わってくる。

超短要約

■どのように情報発信すべきか
広告で生活者が動かなくなったと言われる現在、どのように情報発信していけばいいのか。戦略PRの成功例として有名なのが、ピロリ菌を減少させる効果を持つ乳酸菌「LG21」の啓発活動である。

「ピロリ菌は胃がんを引き起こし得る原因菌で、日本人の50歳以上の8割がこの菌に感染している」といったピロリ菌のファクトを伝える事で、「LG21」への関心が高まった。

それまで「他人ゴト」だと思っていた情報を自分に関連のある有益な情報として認知させる「自分ゴト化」へと導く。それが戦略PRの1つのエッセンス「PR IMPAKT」である。

「PR IMPAKT」の目的は、メディアに「これは読者・視聴者に届けたいニュースだ!」と捉えてもらうための、わかりやすいフックをつくり出すこと。

①Inverse(逆説、対立構造)
ニュースに触れた時に「えっ?」と思わせる意外性を盛り込む。自分が思っていた事と「逆の道理」が存在すると、人々の目を惹く。また、「比較ネタ」というのは、生活者においてそれぞれ「思い」や「言い分」があるため、話題にしやすい。

例:スポーツようかん

②Most(最上級、初、独自)
とにかく「一番大きい」「一番人気」などの最上級表現は、メディアに関心を持たせる大きな要素である。別に「世界一」でなくてもいい。「30代で人気No1」「この夏、海外旅行に出かけたファミリーの中で〜」など、対象を細かく探る。

例:日本一暑い街 熊谷

③Public(社会性、地域性)
記者たちが、報道しようとしている「みんなが知っておくべき情報」とつながるように、企業の製品やサービスに社会的視点を付加してストーリーをつくる。

④Actor/Actress(役者、人情)
「人欄」「人物密着番組」など、「ヒト」を中心に取り上げるスペースは各メディアに恒常的にある。ここにInverse的な組み合わせの妙が求められる。

例:社長自らがトイレ掃除

⑤Keyword(キーワード、数字)
メディアの記者たちには限られたスペースで物事を最大限に伝えるための工夫が求められる。ある属性を持つグループを通称で置き換えるやり方などがタイトルに採用されやすい傾向にある。

例:◯◯系、◯◯な人は、×割、◯◯派が過半数

⑥Trend(時流、世相、季節性)
我々はメディアが年間を通じてどんな報道をするのかを事前に把握できている。その中で、自分たちの製品・サービスにおける「報道する必然性」を見つけ、記者に納得してもらう事ができれば、記事化の可能性も遠くない。

例:冷やし茶漬け

著者 井口 理

1967年生まれ。電通パブリックリレーションズ 第2ディレクション局 局長 コミュニケーションデザインを手がけるチーフPRプランナー。1990年電通PRセンター(現電通パブリックリレーションズ)入社。アドバトリアル部署、アカウントディレクター、広報向けITソフトウェア開発部、電通本社PR専門部署出向、戦略PR&e-PR推進部などを経て現職。 PRコンテンツ創出を起点とした戦略PRの事例多数。受賞歴に、Asia Pacific PR Award、日本PR協会「PRアワード グランプリ」、国際PR協会「ゴールデンワールドアワーズ」、Asia Pacific SABRE Award等。 実務のみならず、大学やトレードショー、PR協会での講義による若手育成にも従事。

この本を推薦しているメディア・人物

帯
スターバックス コーヒー ジャパン 広報部部長 足立 紀生
帯2 帯2
ジェイ・キャスト取締役社長 大森 千明
帯3 帯3
LINE 執行役員 田端 信太郎
帯4 帯4
イグナイト代表取締役 笠松 良彦

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.2 1分
第1章 「PR」の理想的なポジションとは? p.7 12分
第2章 世界のPRの潮流 p.31 7分
第3章 日本におけるPRのトレンド p.45 24分
第4章 ソーシャル・メディアへの対処法 p.91 22分
第5章 イマドキ「戦略PR」のススメ p.133 19分
第6章 明日をつくる「戦略PR」 p.171 9分

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