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2013/07/29更新

社会を変える仕事をしよう ビッグイシュー 10年続けてわかった大事なこと

128分

4P

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ビッグイシューの仕組み

ビッグイシューは、ホームレスの人に雑誌の販売の仕事を提供する。300円の雑誌10冊を無料で提供し、販売者となったホームレスの人はその売上3000円を元手に、以後は1冊140円で仕入れ、それを売れば160円がその人の収入になる。

雑誌の販売者が、売上を増やしていくポイントは「清潔な服装や身なり」で「決められた場所」で「自分で決めた時間」に、できれば「笑顔」でお客さんから見て「感じよく」立ちながら売っているかどうかに尽きる。彼らが1日に売るのは、平均20冊ぐらい。1号あたり200人を超える人が買ってくれる、

絶対失敗すると言われたビジネスモデル

「絶対に失敗する」とすべての専門家に反対された。その理由は次のとおり。

①若者の活字離れ、雑誌の時代は終わっている
②すでに情報はタダの時代である
③日本には路上で雑誌を売り買いする文化がない
④ホームレスからわざわざ買わない

しかし、この失敗予測に、真正面から反論し、これこそが優位性だと主張した。

①携帯メールなど、今は活字の時代である
②ビッグイシューには特定のスポンサーが存在せず、書きたい事を書ける
③書店で売っても埋もれるだけ。路上に書店をつくる
④日々食べるために命をかけて生きているホームレスが命懸けで売ってくれる

こうした反論に成否はともかく、マスコミは「本気」を感じ取ってくれた。

とにかく働くしかない

リスクの高い起業だったから「恐怖心はなかったのか?」と問われる事も多い。「立ち上げの準備期間は目の前の作業をこなすのに精一杯で、恐怖心を持つ暇がなかった」というのが本当のところ。

毎日16時間は働いていた。雑誌の内容の構想、販売体制、資金調達の方法を練りながら、創刊号が出るまで無給で働き続けた。ビジネスが回り出すまでの時間を短くするための近道なんてない。とにかく働くしかない。

創刊号は2ヶ月売り続け、4万冊弱を売上げた。その後、月間で発行した1年間は収支がトントンだったけれど、1年後に月2回の発行にしてから4年間は、月々100万円単位の赤字に転じた。累積赤字は4700万円を超え、追い詰められた。ついに5年目、200円だった価格を300円に値上げせざるを得なくなった。この時、売上が2〜3割落ちれば,確実に倒産しただろう。値上げによって、2008年度決算以降は4期連続で黒字を計上した。

膨大な作業と経験が直感を生み、道を教えてくれる

猛反対の中で、ビッグイシューを続けられたのは、自分の中で「この方向に進むべきだ」というものが見えてきた事も大きい。ホームレス問題において、まず市民が中心で動くという英米の現場の事例を聞き、市民運動団体、行政などの人と議論し、問題解決の方向を決めた事から始まった。