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小泉進次郎はスピーチの天才か?

衆院選の応援演説が始まった2012年11月から約半年間、小泉進次郎を追いかけ続けた著者がその人気の秘密に迫る。


■ノーネクタイも立派なパフォーマンスに
「今回、この選挙戦を迎えるにあたって、私はネクタイをしていません。あの厳しい夏、私の原点である初めての選挙で支えてくれたみなさんに対する感謝を、忘れてはいけないという表れです」

■ダジャレで笑いをとる
「いっぱい政治家が、この函館に入ってきていますね。野田総理がやったのはイカ釣りです。私、あの写真を見て、民主党にピッタリだと思いました。三年前の選挙で、民主党はイカサマで人を釣ったんです。だけど、民主党はイカじゃなくて、タコの集まりなんです。八本足のタコじゃありません。お正月に揚げる凧なんです。そのココロは、風がないと沈んじゃうんです。自力では飛べないんです」

■聴衆のプライドをくすぐる
「北海道は一つの国以上の大きさを持っている。それぐらいの潜在力を持っている。人口550万人で、これだけの国土、そして農産品、海産品の魅力。私の地元で北海道物産展をやると、開店前から行列ができますよ。みなさんが毎日当たり前に食べているものは、当たり前じゃないんです。他の地域の人たちには、並んでも食べたいものなんです。そういった北海道の持っている魅力を、今まで引き出せなかった分まで、新しい発想で生かしていく」

超短要約

■高校野球ネタでひたむきさを訴える
「今,私が高校球児だった時の気持ちを思い返しています。今から約15年前、私はアウトになるのがわかっていても一塁にヘッドスライディングしよう、この一球にすべて賭けよう、この一戦に自分の高校野球生活のすべてを賭けよう、今日負けたら明日はない、その思いでした。

この戦いも同じです。この選挙で勝たなければ私に先はありません。みなさんの力が必要です。野球は集団スポーツで、一人のミスをみんながカバーしてくれます。選挙も野球と同じです。前回の選挙、そしてこの3年間、私の力不足を多くのみなさんが支えてくれました。私が起こしたミス、私が至らないところをみんなが支えてくれて、今日の私を作ってくれました。目立たないかもしれないけど犠牲バンドをしてくれたみなさん、そして私がエラーした時に後ろでカバーに回ってくれたみなさんとの決勝戦がここです」

■自虐ネタで反感を弱める
「元お役人さんですよ。厚生労働省でバリバリ働いていた豊田さん。今までと同じように働いていれば安定したレールがあったかもしれない。それを捨てて、政治の世界に飛び込んでくれたんです。よく元役人の批判があるけれども、私の世襲批判に比べれば大したことはありません。だから、何としても今回、豊田さんに勝ってもらわないといけない」

■素直にお詫びする
「私たち自民党は福島県民のみなさんにお詫びしなければいけない。原発の政策も、私たち自民党が進めてきたんです。その中には反省しなくちゃいけないこと、いっぱいあるんです。その反省なくして私たちは次の自民党を語れない。日本の将来を語れない。その反省も込めて、この3年間、もう一度みなさんの信頼を得るために何ができるかを考えてきました。まだまだ十分でないかもしれないけど、もう自民党に次のチャンスはありません。今回がラストチャンスです」

■歴史で語る
「今日12月14日は、日本人だったら誰でも思い浮かべる、あの忠臣蔵の討ち入りの日です。牧原さんはこの3年間、まさに赤穂浪士じゃないけども、浪人という意味で小さな集会を重ね、ひとりでも多くの方に思いを訴え、討ち入りまでの約1年9ヶ月間、赤穂浪士が思いを巡らせていたように、3年の間、戦いが訪れる日まで必死で頑張ってきました」

著者 常井 健一

1979年生まれ。ノンフィクションライター ライブドア・ニュースの設立に参画後、朝日新聞出版に入社。「AERA」編集部で主に永田町取材に携わる。『悪党小沢一郎に仕えて』の構成を手がけ、東日本大震災後初となる首相(菅直人)単独インタビューを担当。 退社後、オーストラリア国立大学アジア太平洋学院客員研究員。帰国後の2012年末からフリーランス。

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作家 佐藤 優
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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき p.3 2分
第1章 進次郎に密着21都道府県1 総選挙前半戦 p.13 27分
第2章 進次郎に密着21都道府県2 総選挙後半戦 p.63 21分
第3章 進次郎と被災地 p.101 15分
第4章 進次郎とオンナたち p.129 12分
第5章 進次郎と永田町 p.151 18分
第6章 進次郎のマニフェスト1 社会保障 p.185 13分
第7章 進次郎のマニフェスト2 外交・安全保障・エネルギー p.209 15分
あとがき p.236 2分

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