ストーリーで語れば、顧客と従業員を魅了できる。P&Gで消費者コミュニケーションを研究している著者が、様々な事例を紹介しながら、ストーリーを語るノウハウを伝授する。
■なぜストーリーが必要なのか?
特にこの10年で、リーダーシップをとるにあたって、ストーリーテリングは経営幹部にとって欠かせないツールとなった。ストーリーテリングには強い力がある。その理由は次の通り。
①シンプルである。
②時代を超越している。
③年齢、人種、性別の区分に関係ない。
④人から人へと広がりやすい。
⑤覚えやすい。
⑥人を奮いたたせる。
⑦聞き手を自然と学ぶ気持ちにさせる。
⑧命令しなくても、メッセージを伝える事ができる。
■ストーリーをどこで探せばいいのか?
ストーリーテリングを活用しようとすると、大半のリーダーがこの疑問を持つ。まず、ストーリーが必要になってから慌てて探し始めるのではなく、今すぐストーリーの収集を始めよう。ストーリーを探す方法は3つある。
①あなたの過去の体験
素晴らしいストーリーを持っている人が派手な人生を送っているとは限らない。彼らにはただ、日々の自分の挑戦を積極的に人に伝える習慣があるだけなのだ。
これまでの仕事で大きな成功を収めた時の事を思い出そう。次に大きな失敗をした時の事を思い出そう。失敗談は教訓を授ける最も良いストーリーの1つだ。
②身近で見聞きしたもの
素晴らしいストーリーは、日々、身近なところで起こっている。ところがあなたは、それがストーリーだと思っていない。こう自問してみるのだ。いま自分は、予想外の教訓を学んでいるだろうか? 答えがイエスなら、よいストーリーが生まれつつある可能性がある。
③人から聞いたもの
最も豊かなストーリーの源は、周りの人から聞いた話だ。ただ、人から聞いた話に注意を払ってさえいればいい。そうした話の中から最高のものを選んでいけば、オリジナルの「グレイテストヒット」ストーリー集をつくる事もできる。いい話を聞いたら、頭の中でメモを取る。これが、人から聞いたストーリーを集める第一歩だ。
著者 ポール・スミス
P&Gコンシューマー&コミュニケーション研究所所長 アンダーセン・コンサルティングではウォルマート、サムズ・クラブ、コストコといった大企業のコンサルティングを担当。P&Gでは数十億ドル規模の事業部や工場を率いてきた。リーダーシップとコミュニケーションの講師として、P&Gマネジメント・トレーニング・カレッジでも活躍している。 ベストセラー作家であるチップ・ハースとダン・ハースが提供するトレーニングプログラムの認定講師でもある。
週刊 ダイヤモンド 2013年 5/18号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
TOPPOINT |
日本経済新聞 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.4 | 6分 | |
第1章なぜストーリーが必要なのか? | p.15 | 6分 | |
第2章 ビジョンを描く | p.24 | 7分 | |
第3章 目標を設定し、積極的に取り組ませる | p.33 | 8分 | |
第4章 変革を主導する | p.43 | 10分 | |
第5章 提案を強く印象づける | p.55 | 11分 | |
第6章 顧客サービスの成功と失敗を示す | p.68 | 11分 | |
第7章 ストーリーの構成 | p.81 | 13分 | |
第8章 文化を重視する | p.98 | 9分 | |
第9章 価値観をつくりあげる | p.109 | 10分 | |
第10章 協力をうながし、良好な人間関係を築く | p.121 | 11分 | |
第11章 多様性を尊重する | p.134 | 11分 | |
第12章 ルールで決まっていなくても、正しい行動をとる | p.147 | 8分 | |
第13章 具体的にわかりやすく話す | p.157 | 11分 | |
第14章 スタイルの工夫 | p.171 | 13分 | |
第15章 やる気をもたせ、士気を高める | p.188 | 11分 | |
第16章 勇気をもたせる | p.201 | 11分 | |
第17章 仕事に情熱をもたせる | p.214 | 7分 | |
第18章 感情に訴えかける | p.223 | 14分 | |
第19章 サプライズの要素をとりいれる | p.240 | 11分 | |
第20章 重要な教訓を授ける | p.254 | 12分 | |
第21章 コーチングとフィードバック | p.269 | 11分 | |
第22章 問題解決の方法を示す | p.283 | 10分 | |
第23章 顧客理解をうながす | p.295 | 6分 | |
第24章 比喩の活用 | p.303 | 8分 | |
第25章 権限を委譲し、許可を与える | p.314 | 8分 | |
第26章 イノベーションと創造性を駆りたてる | p.324 | 6分 | |
第27章 営業は全員の仕事 | p.332 | 9分 | |
第28章 初日に経緯を獲得する | p.343 | 8分 | |
第29章 聞き手をストーリーに組みれる | p.353 | 9分 | |
第30章 いざ、実践! | p.364 | 21分 |
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