就業時間の20%を本来の仕事と異なるプロジェクトに使うことで、革新的ビジネスを生み出す方法を解説。Gメール、フリッカー、ハッカデイなどの事例から、サイドプロジェクトを立ち上げる際の教訓を教えてくれます。
■20%ルールとは
「20%ルール」とは、グーグルで最初に考案された方針である。グーグルの社員は、勤務時間の1/5を自分が思いついたプロジェクトに使う事が認められる。20%ルールの成果には、Gメール、アドセンス、グーグル・リーダーなどがある。最近では、20%ルールの見直しが進められているが、グーグルが社員の創造性を引き出すための時間をつくるという考えを率先して一般に広めたのは間違いない。
いわゆるハックデイでは、プログラマーは開発したいソフトウェアの試作版を24時間以内につくり出すよう奨励される。これは、コストをかけずに20%ルール・プロジェクトを活性化する試みとして始まり、グーグル、フェイスブック、ツイッター、イーベイなどへと広がった。
20%ルールを応用したもう1つのスタイルとして、外部の人間を招いて社内のサイドプロジェクトに参加させる企業もある。フリーのプログラマーが開発したオープンソースのソフトウェア・パッチを受け入れる。熱心な市民を招いて「市民ジャーナリスト」になってもらうなどだ。
■サイドプロジェクトを成功させる方法
①初期段階
ひらめいた新しいアイデアを評価し、改善し、その具体化に取り掛かる。
・自分が必要としているものをつくる
・意図的に人と違うことをする。反抗的なぐらいがいい
・感情的に人々と結びつく
・シンプルなものを素早く形にする
・厳しい期限やわずかな資金などの制約を乗り越える
②中間段階
チームメイトや仲間だけでなく、顧客やユーザーを引き寄せなければならない。
・バージョンアップを繰り返す
・何を評価するかを決め、ベンチマークとなる目標を定める
・プロジェクトを改善するために、彼らにしかできない事があると具体的に示す
・将来の成功への確たる自信を示す
・外部に目を向けて、外の世界を会社の中に持ち込んでくる
・たとえ方向転換する必要があったとしても進み続ける
③最終段階
古い考えに縛られた社内の管理体系からの抵抗をはねのける。
・後援者を見つけプロジェクトの味方にする
・すべての人に恩恵を与える投資だと強調する
・既存のシステムで間に合わせられないかという発想も持つ
・母船とのコミュニケーションは欠かさない
著者 ライアン・テイト
Wired誌 シニアライター アップサイド誌記者を経て、ビジネス2.0誌やサンフランシスコ・ビジネス・タイムズ紙、ゴーカー・ドット・コムなどに寄稿。
帯2 クレイグ・リスト創業者 クレイグ・ニューマン |
帯 Wired誌編集長 クリス・アンダーソン |
日本経済新聞 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.14 | 12分 | |
1章 自分のかゆいところに目を向けろ | p.31 | 25分 | |
2章 破産の危機を乗り越えて | p.67 | 15分 | |
3章 プログラマーたちの祭典 | p.89 | 29分 | |
4章 教育の現場に20%ルールを持ち込め | p.131 | 15分 | |
5章 市民が見せたジャーナリスト魂 | p.153 | 36分 | |
6章 一流シェフの新たな出発 | p.205 | 15分 | |
おわりに | p.227 | 13分 |