起業の5つの秘訣
新しい事業を存続させ、運が良ければ成功させる確率を高める秘訣は次の5つ。
①楽しくなければやるな
ヴァージンを興した時、壮大な計画も戦略もなかった。ただ、皆が楽しんで使ってくれるものを創り、そのプロセスを楽しみ、結果として自分が食べていければいいなと思っていただけだ。事業を立ち上げる上で一番大切なのは、自分が誇れることをやり、才能ある人を集め、他の人たちの人生に大きな違いを生むような何かを創り出す事だ。
②革新的であれ
成功しようと思えば、何か他と劇的に違う事をやらなければダメだ。航空会社のヴァージン・アトランティックを立ち上げた時、一番評判になったのは乗務員が乗客に本当に親切だ、というシンプルな事実だった。
③愛社精神が奇跡を呼ぶ
ヒトこそ重要な資産だ。社員が会社の一員である事に誇りを持っていると、そこから会社を心から支持する気持ち、尽くそうとする気持ちが生まれ、凡庸さや無関心が溢れている世の中で大きな違いを生む要因になる。
④経営とは話を聞くこと
優れたリーダーになるには、優れた聞き手にならなければならない。一人の人間が優れたアイデアやアドバイスをすべて持っている事はあり得ない。
⑤身近な存在であれ
優れたリーダーはじっと机に座っていたりはしない。いつも出歩いて人と会っている。ノートを持ち歩き、質問や懸念、優れたアイデアを書き留めている。ヴァージン航空に乗る時には、できるだけ多くの乗務員やお客様と会うように努力するので、飛行機を降りる頃には、大抵1ダース以上の価値ある提案やアイデアを手に入れている。
最高の顧客サービスを生む方法
質の高い顧客サービスを実現するには、最前線に立つ社員に社内のすべてのメンバーが協力する必要がある。どんな会社も、最前線で働く社員をあらゆる状況に対応できるように訓練する事はできない。だが彼らが「自分がして欲しいと思うサービス」を心置きなく実行できる環境を整える事はできる。
リスクという名のチャンス
ヴァージン・グループは音楽、鉄道、代替燃料、それに宇宙旅行にまで手を出している。僕らが大切にしている指針は3つ。
①新しい事業がブランドにダメージを与える可能性があれば投資しない
②業界そのものを根底から揺さぶるチャンスがなければ参入しない
③いくら稼げるかだけに注目しない
進むべきか否か決断を下す時には、直感や経験に基づいて決めると、大抵一番いい答えが出る。そして、僕らの行動には常にもう1つの原則がある。失敗への備えを怠らない、というものだ。社員を守らなければならないからだ。会社が傑出した存在となるか、月並みな集団となるかは社員で決まる。