世界三大幸福論といわれるアランの『幸福論』の教えを、会話形式で授業のように教えてくれる本。幸福は与えられるものではない。自分自身でつくり出すものだとして、幸福になるための心構えを説く。
■大げさに考えると不幸は勝手に育っていく
ほんのささいな事でも、大げさに考えれば本当に大ごとになってしまう。あれこれ想像して、ありもしない理由を思いつき、自分が苦しいのはそのせいだと思い込む。自分で勝手に思いついた理由が原因で苦しくなるのだ。
■負の感情は自然に湧いてこない。自分でつくっているんだ
皆、感情というのは自然と湧き起こってくるものだと思い込んでいるから、自分の感情を疑ってみる事をしない。想像にまかせてあれこれ考えれば考えるほど、いろいろな理由を思いついて、どんどん苦しくなっていく。
■どんなにつらい経験も明日への糧になる
過去を振り返って悲しんでいても、どこにも解決策は見えてこない。強い人間とは、もう取り返しがつかない事はどれかをしっかり見つめて、そこから未来へ向かって歩き出す事ができる人の事を言う。
■自分の力を試す中で「困難に打ち克つ幸福」という別のご褒美を得る
苦労を買って出て自分の力を試すと、できなかった事がまた1つできるようになって、幸福というご褒美をもらえる。このご褒美は、怠け者には想像もつかないほどに心をときめかす。だから、もっと仕事が好きになる。
■考えることは行動することだ
誰だって、求めるものは得られる。成功が欲しいなら成功を得られる。欲しいものが得られないとすれば、それは本気になって求めていないからだ。欲しいものを得られるというのは、本当に欲した時だけだ。
■行動してはじめて未来が始まる
実現可能な計画というものは、いつも、取り掛かった仕事の上にしか成長しない。「いずれやろう」という空想には、未来につなげられる何ものもないが、「今、やっている」事は未来をはらんでいる。とにかく始めることだ。
著者 上之二郎
1947年生まれ。アラン研究家 ノンフィクション作家として触れてきた多くの人々の苦しみや喜びを通じて、人が幸せになるためにはどうすればいいかを問い続けるなかで、深い哲学的洞察に裏打ちされた言葉で書かれたアランの著作にひかれ、長年にわたって研究してきた。
週刊 ダイヤモンド 2013年 6/1号 [雑誌] 八重洲ブックセンター八重洲本店販売課リーダー 真田 泉 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.4 | 2分 | |
Chapter1 自分で不幸を育てない | p.15 | 25分 | |
Chapter2 幸福のレシピ | p.59 | 28分 | |
Chapter3 よいものにしようとすれば、 どんな人生もよくなる | p.109 | 18分 | |
Chapter4 幸福へのアクセスマップ | p.141 | 17分 | |
Chapter5 幸福の鍛え方 | p.171 | 17分 |
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