人々は、この組織に自分の居場所を見出せるか
多様性とインクルージョン(誰にでもビジネスの成功に参画・貢献する機会が認められること)を重視しているというのであれば、「人々は、この組織に自分の居場所を見出せるか」と自問しなければならない。これは、組織の主張と行動が一致しているかどうかを暴き出す重要な問いだ。この問いにはっきり「イエス」と答えられるなら、その組織には成長力と将来性がある。
今、求められているのは、大きなメッセージでも、大きな声でもない。無数の人々がそれぞれのやり方で調和をもたらし、人々を1つにする事だ。それは、すべての人に敬意を払う事が、民主主義を維持するための絶対条件である事を私たちが理解する、決定的な瞬間である。
「ノー」の力に目覚めよう
ドラッカーはよく「集中、集中、集中」と言って私たちを戒めた。この言葉が促しているのは、組織の有用性、生存力、未来の成功を決定づける重要な戦略に注意を払う事だ。
しかし、集中するためには、自分や組織にふさわしくないものに「ノー」と言う事も学ばなければならない。そうする事で初めて、私たちは自分自身を、人生の目的を、たえず明確にしていく事ができるのだ。
ノーの力は、組織にとって重要だ。この力を使わない限り、組織のミッションは雑多な活動やプログラムの雑音にかき消されてしまう。ミッションに情熱を持ち、価値観に忠実でいれば、ノーの力はリーダーと組織が倫理的に行動する事を助けてくれる。
インクルージョンの力を活用しよう
大きく複雑な組織を改革する時に、最も重要な事の1つは「インクルージョン」だ。即ち、いかにして、すべての段階にすべての関係者を関与させるか。優れた計画さえ立てれば、それを「担当者」に「与える」だけで主体的に実行してもらえるという考えは捨てるべきだ。
私はリーダーシップをこう定義する。
「リーダーシップとは、どうやるかではなく、どうあるかの問題だ。あなたも私も、人生のほとんどを、どうやるかを学んだり、それを人に教えたりするために費やしている。しかし、結果を決定づけるのはリーダー自身の質と人格だ。リーダーシップとは、どうやるかではなく、どうあるかの問題なのだ。」
未来のビジョンを皆で分かち合い、共に育てていけば、そのビジョンは全員にとって実体のあるものとなる。あらゆる段階に人々を参加させれば、士気が高まり、自信と情熱、信頼とサポートが生まれる。