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2013/06/11更新

なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?

157分

3P

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行列のできるお店のつくりかた

真冬にも行列ができるかき氷専門店は、どのようにしてできたのか?
飲食店が繁盛するヒントが見つかる本です。


■リスクが大きいからこそ、先行者利益が生まれる
湘南に真冬でも行列ができる、かき氷屋さんがある。名前は「埜庵」。10年前に会社を辞めて「かき氷の店をやる!」と言った時、みんなに「バカじゃないの?」と言われ続けた。でも今、冬でも営業しているかき氷の専門店が何軒も出てきている。10年前に非常識だった事が、10年経つとそうでもなくなってきている。

冬のかき氷はリスクが高い。その代わり、競争相手が少ないという大きなメリットがあった。だからこそ、最初にいくと、大きな利益を手に入れる事ができる。

開店しても、最初から順風満帆だった訳ではない。当時の埜庵は、かき氷以外のものを売らないと生活できない。かき氷以外のものは売りたくないけど、売れてしまう状態に陥ってしまった。

「働けど、働けど暮らしは楽にならず」という最悪な状況は5年目まで続いた。2007年11月27日、かき氷の注文がゼロの日がやってくる。「かき氷のお店」だと自分で言っているのに、結局まわりの人はそういう風に思っていない事がわかった。出てきた答えは「やり方が間違っているんだ」。かき氷一本でやっていくと決めた。

超短要約

■真冬のかき氷屋に行列ができた5つの理由
①3つのワンを極める
一般的に、人はどこにでもある平凡な存在よりも、他とは違う特別な存在に興味を持つ傾向がある。わかりやすい独自性の持たせ方は、3つのワンのいずれかを実行する事だ。

・ファーストワン(日本初、世界初、業界初)
・ナンバーワン(売上トップ、人気トップ、コンテスト優勝)
・オンリーワン(日本唯一、世界唯一、業界唯一)

②ストーリーで魅了する
埜庵がお客さんと特別な関係を築けたのは、店主がかき氷の物語を熱心に語り続けた事も大きい。物語の力は人の感情を動かす。つくった人のこだわりや開発秘話などを聞くと、それだけで人間の舌はおいしく感じられてしまうものだ。

③「自分だけが特別」だと思える接客がある
埜庵が繁盛店になったのは、一度来るとまた来たくなってしまう接客があるからだ。店主の会話の中で物語以上に多かったのが「グチ」だった。グチとは、要は自己開示だ。人は自己開示されると、その人に感情移入しやすい。閑古鳥が鳴いていた初期の冬の季節に来ていたお客さんたちは、どこか身内のような感覚を持っていた。

④メディアに消費されずにうまく付き合う
知る人ぞ知る名店だったのが、テレビに出すぎたために、一気にお客さんが来てオペレーションがぐちゃぐちゃになり、店の質が落ち、常連客も離れ、やがて廃業というパターンに陥る店は多い。埜庵は取材依頼が数多くあるにもかかわらず、出る回数を絞ってコントロールしている。だからこそ店が荒れる事も少ない。

⑤「つながり」が「つながり」を生む
埜庵が繁盛店になっていった理由はいろいろあるが、一度来たお客さんが別のお客さんを連れて来てくれたり、紹介してくれたりする事も大きい。埜庵は、なぜか人を紹介したくなる店なのだ。それは、あまりかき氷を食べた事がない人に「自分が最初に食べたあの衝撃を味あわせてあげたい」という思いがまずある。

著者 川上徹也

湘南ストーリーブランディング研究所 代表 大学卒業後、大手広告代理店に入社。営業局、クリエイティブ局を経て独立。 コピーライター&CMプランナーとして50社近くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。 現在は、大企業だけでなく、小さな会社やお店がどうすればストーリーを発見し、成長していけるか、そのノウハウを個別のアドバイスや講演・執筆などにより提供している。

著者 石附 浩太郎

1965年生まれ。かき氷屋「埜庵」・店主 大学で商品学を学んだ後、音響機器メーカーを経て、脱サラ。 2003年、通年営業のかき氷屋「埜庵」を鎌倉にオープンする。2005年、神奈川・鵠沼海岸に移転。 独創的なシロップを使ったかき氷を求めて日本全国からリピーターが訪れ、真冬でも行列ができるほどの人気店になっている。

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帯
作家 山田 真哉
PRESIDENT (プレジデント) 2013年 7/29号 [雑誌] PRESIDENT (プレジデント) 2013年 7/29号 [雑誌]

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき p.2 2分
第1章 リスクが大きいからこそ、先行者利益が生まれる―繁盛法則・その1 p.19 22分
第2章 「おいしいものをつくれば、人は来る」という考えがドツボのはじまり―繁盛法則・その2 p.63 12分
第3章 お客さんの要望に応えるだけがニーズではない―繁盛法則・その3 p.87 9分
第4章 集客よりも、もっともっと大切なこと―繁盛法則・その4 p.105 11分
第5章 TwitterやFacebookは商売繁盛には役立たない―繁盛法則・その5 p.127 9分
第6章 効率的な商売に「伸びしろ」はない―繁盛法則・その6 p.145 21分
第7章 行列はゴールではなく、スタート―繁盛法則・その7 p.187 25分
エピローグ p.238 5分
あとがき p.250 2分

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