今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2013/06/13更新

「超」説得法 一撃で仕留めよ

201分

3P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

アマゾン詳細ページへ

「超」説得法4つのルール

「一撃説得」は、単に「説得の言葉が短ければよい」というだけの事ではない。短い言葉として何を選ぶか、それをどのような形で投げかけるかが重要である。一撃説得には4つのルールがある。

①相手の注意を引く
初対面の人を説得するには、まず注意を向けてもらわなければならない。最も有効なのは、相手の名を呼ぶ事である。人は「自分の名」に対しては、特別鋭敏な受信感覚を持っている。

②「聞きたいと願っているメッセージ」を与える
人は、聞きたいと願っているメッセージには耳を傾ける。「聞きたいメッセージ」とは、「そうなって欲しい」と願っている事だ。次期社長候補の最右翼である常務を、酒席で「うっかり」、「社長」と呼んでしまい、「失礼しました」というのは、ゴマスリの常套手段だ。相手が具体的に何を望んでいるのかを正確に捉えるには、事前の調査が必要である。

③能力を示して信頼を獲得する
説得を成功させるためには、相手から信頼される事が絶対に必要である。自分の能力を印象的に示したり、権威やブランドに頼る事で、相手の信頼を獲得する。

④最初は現実的な目標を、具体的、簡明に示す
多くの説得は、最初から遠大な目的を達成させようとしている。最初は現実的な目標を示し、徐々に最終目的に誘導する。

イエスのトリック

「超」説得法において比喩は重要な役割を果たす。比喩を用いれば、複雑な概念を簡単な表現で伝える事ができるからだ。イエス・キリストは伝道にあたって、多くの比喩を用いた。有名なのは「種蒔く人」の喩えだ。

イエスは布教活動を麦の種を蒔く事に喩えている。「路の傍らに落ちた種は、鳥が食べてしまう。石の地に落ちた種は、芽が出るけれども枯れる。よい土地に落ちた種は、実って何十倍にもなる」と言う。

人々は麦が成長したり、途中で枯れたりする様をよく知っているから、この比喩を聞けば、信仰を続けるのがどんなに大事かと納得する。

確かに「信仰は麦のようなものである」という大前提に立てば「麦が有用である」のは自明であるから、「信仰を育てるのが重要だ」という結論は自動的に出てくる。しかし、ここでは大前提である「信仰は麦のようなものである」事は仮定されているだけで、証明されていない。

つまり、イエスは「信仰が有用である」事を証明なしに人々に納得させるために、比喩を用いたのである。我々が説得において参考にしたいのは、このメカニズムだ。比喩は、同義語反復ではない。比喩とその対象との間には、わずかな隙間がある。そして、それをジャンプしてしまうという意味で、論理学的、科学的には問題がある。しかし、それこそが、比喩を用いる説得の極意なのだ。