IBMやオラクルを経て、アップル・ジャパンの社長を務めた著者が、グローバル・スタンダードな働き方を紹介。40のポイントとして、世界で戦うための心構えや考え方、外国人とのやりとりの方法などを語っている。
■変化を生み出すのは、いつだって「猛烈な好奇心」だ
スティーブ・ジョブズをはじめ、猛烈な好奇心を持つ人達に共通しているのは、世の中を変えてきたこと。引っ繰り返せば、変化は好奇心がないと生み出せない。自分が全身全霊で情熱を注げること、心から向き合え、「もっと良くするにはどうすればいいのか?」という問いを持てる事が、すべての変化のエンジンである。
■「新しい課題」を自らつくり出せる事が才能である
新しい商品やサービスが生まれる起点は、既存にあるモノ・コトに対する不満。その不満をしっかり見出し、ビジネスの「新しい課題」として捉えられるかどうか。スティーブも、オラクルのラリー・エリソンも、現状に満足しない事から新たなビジネスを創造してきた。
■「自分の中の達成感」を常に確かめる
若者から受ける相談で多いのが、何をしたらいいのかわからない、何に情熱を注げばいいのかわからないというもの。誰もがこの問いを持ち続けなければならない。己が何に最大の情熱を捧げるかは、人生の意味を考える事でもある。
人にはそれぞれのモチベーションがある。お金や名誉、幸せな家庭。最も大切な事は、自分で自分の目指すべき方向性を自覚しているということ。何をもって成功したと実感できるか明確でないと結局何をやっても虚しいだけである。
スティーブ・ジョブズは、いつもこう言っていた。
「You should all know already」(みんな知っている)
実は誰もが、やりたい事ややるべき事をすでに知っていると言う。本当はわかっていて、できない言い訳をいつも用意しているだけなのだ。
できるかできないかより、自分が最もワクワクする事に情熱を注ぎ、自分が目指す方向性に近づける努力をすること。最大のポイントは「止まらない」ということだ。
いいなあと思った事があれば、とにかくやってみること。動いてみて、話を聞いてみて、行動に移す。それを続けていれば、必ず世界は変わる。この世で最も強力な武器は「パッション(情熱)」である。
ただ、情熱というのは形がないものなので、常に確認しなければならない。つまり「達成感」を確認する。
著者 山元賢治
1959年生まれ。株式会社コミュニカ 代表取締役 大学卒業後、日本IBMに入社。日本オラクル、ケイデンスを経て、EMCジャパン副社長。2002年、日本オラクルへ復帰。専務として営業・マーケティング・開発にわたる総勢1600人の責任者となり、BtoBの世界の巨人、ラリー・エリソンと仕事をする。 2004年にスティーブ・ジョブズと出会い、アップル・ジャパンの代表取締役社長に就任。iPodビジネスの立ち上げからiPhoneを市場に送り出すまで関わり、アップルの復活に貢献。 現在、株式会社コミュニカ代表取締役、株式会社ヴェロチタの取締役会長を兼任。私塾「山元塾」を開き、21世紀の坂本龍馬を生み出すべく、多くの若者へのアドバイスと講演活動を行っている。
週刊 東洋経済 2013年 5/25号 [雑誌] |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2013年 07月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに 世界標準の武器を教えよう | p.1 | 7分 | |
Part1 世界を変える「チェンジメーカー」になれ! | p.21 | 18分 | |
Part2 これからの世界を生き抜く「世界標準の武器」 | p.54 | 27分 | |
Part3 どこでも一生役立つ「サバイバル・スキル」 | p.104 | 16分 | |
Part4 「自分の価値観」に素直に世界を生き抜く | p.134 | 11分 | |
Part5 これからのビジネスで何より大切なこと | p.154 | 22分 | |
Part6 世界で戦う前に知っておきたいこと | p.194 | 16分 | |
おわりに 平成の坂本龍馬になれ! | p.223 | 2分 |
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