韓国で「最高の先生」と呼ばれるソウル大学のキム・ナンド教授が、悩める学生に向けた愛情あふれるメッセージ。
韓国で記録的なベストセラーとなっている1冊です。
■愚かであれ
多くの人が青春を持て余す。そして、この時期を少しでも早く抜け出したいと気を焦られる。何かをやり遂げなければという強迫観念に駆られて、ちょっと呼吸を整えようと立ち止まる事にすら不安を感じながらも、実際は自分の無限の可能性には気付いていない。
君たちには、どうかもっと愚かでいで欲しい。あまりに利口な、たった1%の目先の利益を追うトレーダーなんかじゃなく、自分の情熱に可能性をたずねながら、馬鹿正直にじっと待つ事のできる投資家になって欲しい。
■答えは君の瞳の中にしかない
進路相談に来る学生たちは、大きく2つに分けられる。自分の未来に確固として考えを持っている学生と、そうでない学生。前者を「弓矢タイプ」、後者を「紙の舟タイプ」と呼んでいる。
弓矢タイプは、人生を最短ルートで、効率だけを考えて設計している。弓矢タイプには優等生が多い。もちろん、人生の究極の目標や手段が明確なのは望ましい。だが、気になるのは彼らが成長する中で出会う、数多くの可能性の扉をしばしば閉ざしてしまう事だ。
状況は変化する。だから、計画通りうまく進んでいるのか、という焦りはいったん脇に置いて、未来の設計の扉をほんの少し、開いておいた方がいい。
一方、紙の舟タイプは目標が定まっていないのが難点だ。「何をしたらいいでしょう、先生?」こう質問されると戸惑う。紙の舟は、毎瞬毎瞬、川の流れに身を任せてただ流されていくだけだ。
紙の舟タイプは自分が漠然とし過ぎて苦しんでいる。友達はしっかり目標を持って準備しているのに、自分だけ何も考えずに過ごしているんじゃないかという不安が大きい。だから、「こんな未来はどうだ?」と示してくれないかと思っている。
だが、先生は学生の目標までは設定してやれない。紙の舟タイプの相談にのるのは難しいが、できるだけ話をたくさんさせて、最後まで聞いてから「本人が一番聞きたいこと」に答えてあげるのだ。彼らはすでに自分の中に答えを持っている。ただ、様々な理由で取り出せないというだけで。
弓矢タイプであれ、紙の舟タイプであれ、同じように大事な事が1つある。自分自身と向き合う時間が必要だという事だ。親の期待、社会の雰囲気、仲間内のトレンドのようなものは全部忘れてしまっていい。
「自分は何がしたいのか?」君の瞳の中以外、答えは見つからない。
■誰でも今が一番人生で歳をとっている
20代は最もいい時期でありながら、同時に最も悩み事の多いつらい時期でもある。いったい、なぜこんなにつらいのか?
それは、過去、現在、未来の問題が一度に押し寄せて、渦を巻きながら吹き出すからだ。青春が例外なくつらい理由は、不断に積むべきスペックのためではなく、一寸先も見通せない未来への不安のためだ。
それでも、忘れるな。未来が不安な理由は、逆説的だが、それだけ多くの可能性が開かれているからだ。人生で最も大切な決定を下す時期には、ほとんど無限大に様々な選択肢がある。その選択肢が1つ、2つと減っていく時、私たちは歳をとる。選択の余地がせばまると、当然、悩みの幅も狭くなる。
そうだ。今が人生で最も悩み多き時期だ。君は、もっともっと悩んでいい。あらゆる可能性を前にして、原点から検討するのだ。
著者 キム・ナンド
ソウル大学生活科学学部 消費者学科 教授 ソウル大学行政大学院を卒業後、南カリフォルニア大学で博士号を取得、1997年からソウル大学生活科学学部・消費者学科の教授として在籍。 学生が直接評価する「ソウル大優秀講義」に選ばれ、大学が公式に授与する「ソウル大学教育賞」を受賞するなど、講義と学生指導への熱意が評価されている。 ソウル市、京畿道(キョンギド)、保健福祉部、サムスン、LG、ロッテ建設、アモーレパシフィックなど、主要公共機関や企業で諮問や講演を行い、世のなかがどんな人材を求めているのか聞き、大学やオンラインで、青春を生きる若者たちとコミュニケーションをはかりながら「どんな人生を切り拓いていくのか」アドバイスをしている。 主要日刊紙に「キム・ナンド教授のトレンドノート」を連載するなど、コラムニストとしても活躍。
帯 聖学院大学教授 姜 尚中 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ 忘れるな、きはまぶしいほど美しい | p.4 | 3分 | |
PART1 答えはきみの瞳のなかにしかない | p.21 | 38分 | |
PART2 思っているほど底は深くない | p.91 | 29分 | |
PART3 奇跡は少しずつ叶えられるものだ | p.145 | 33分 | |
PART4 「明日」が導くきみの人生 | p.205 | 41分 | |
エピローグ 愛する息子よ | p.280 | 4分 |
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