マッキンゼーの社員はどのようにして1年目から、高い問題解決の能力を身につけるのか?
マッキンゼー出身の著者が、新人研修で教えられたこと、新人時代のエピソードをもとに、マッキンゼー流の思考術を紹介しています。
■そもそも「問題解決」とは何か?
「問題解決」とは、起こった事象に対処する事ではなく、「なぜ、その事象が起こったのか? 本当は、どうあればその事象が起きないのか?」という問題の本質まで掘り下げて解決する事である。目の前に見えている事に対処するのではなく、真の問題、重要な課題は何かを考える。つまり、問題解決のプロセスを意識して仕事をする。そうする事で仕事の効率は格段に良くなり、問題の把握も的確になる。
基本プロセスは次の通り。
①問題設定と解となる領域を決める
②課題を整理し構造化する
③情報収集を行う
④仮説を立てる
⑤仮説を検証する
⑥解決策を考える
⑦解決策を実行する
問題解決のプロセスで大事な事は、最初に「誰にとって、どうなればいいのか」という、ありたい姿をきちんと決めておく事である。
■問題解決力を高める思考術
①コインの裏表で考えない
例えば「Aという商品の売上が低下している」という問題が発生した時に、単に「売上が低下したから販促を増やせばいい」というのでは、「コインの裏表」で考えた発想でしかない。深い思考をして、問いの核心をつかめば、そもそもAという商品の市場での役割が薄くなっているので、Aという商品にかける経営資源を全く別のものに使った方が新しい成長につなげられるという発想もできるかもしれない。
②徹底して汗をかき、あきらめずに考える
本当にクライアントの評価の高い仕事ほど、ロジックは「後付け」。独自の仮説(イシュー)を立てて、枠を外したゼロ発想をする事で、一見、普通に考えれば関係がないような情報同士をつなぐキー・ドライバーを見つけ、「これだ!」という答えを導き出すのがマッキンゼー流の問題解決。
③五感を研ぎ澄ます
なるべく疲れを引きずらないような早めの時間に眠りに入って早起きした方が、感覚が研ぎ澄まされ、いい思考ができる。
④リラックスしながら集中する
「思考が疲れないこと」というのも思考の質とアウトプットの質を高めるために大事なこと。リラックスしながら集中する方法は、誰にでも効果的なのは、まず休息をとって心と身体の疲れをなくすこと。体を動かすこと。遊ぶこと。
⑤自分の枠を外す
発想の枠を広げれば、実はもっと良い可能性がたくさん見つかるかもしれないと考えるのがマッキンゼー流。枠を広げたり、外したりする場合も、そもそも自分の枠は何かを認識できていないと難しい。自分の枠を外す方法として簡単なのが、意識的に自分の行動を変えてしまうこと。
⑥事実と意見に分ける
人の話を聞きながら「意見」と「事実」に分解するクセをつけること。
⑦「問い」から始める
日常生活や仕事でも、あらゆる思考のベースに「問いから始める」という事が習慣化できていると、自分の事でありながら客観的な思考や判断がしやすくなる。なぜなら「問い」であれば、その時点ではYES/NOどちらも含んでいる状態なので、偏りがないフラットな思考ができる。
「問い」を持つ時に大切なことは3つ。
・「問い」を一言で言えるようにすること
・問いの中で「一番重要なのは?」を必ずセットで考えること
・その「問い」が本物かどうかを見極める
⑧大きな絵を忘れない
物事を大きな絵で見る。視点を高くして広い視野を持つ。
著者 大嶋 祥誉
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役 エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。 マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。 その後、ウィリアム・エム・マーサー、ワトソン・ワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。 2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダー開発に従事する。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 6分 | |
第1講義 マッキンゼー流 プロフェッショナルの流儀 | p.19 | 20分 | |
第2講義 マッキンゼー流 問題解決の基本プロセス | p.53 | 17分 | |
特別講義 マッキンゼー流 フレームワーク入門キット | p.81 | 12分 | |
第3講義 マッキンゼー流 情報の取扱い力 | p.101 | 9分 | |
第4講義 マッキンゼー流 問題解決力を高める思考術 | p.117 | 21分 | |
第5講義 マッキンゼー流 自分力の高め方 | p.153 | 13分 | |
第6講義 マッキンゼー流 プロジェクトで結果を出す力 | p.175 | 19分 | |
第7講義 マッキンゼー流 プレゼンの技術 | p.207 | 11分 | |
おわりに | p.226 | 2分 |
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