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ビッグデータ「3つの大変化」

ビッグデータにより、世の中の見方も社会のあり方も大きく変わる事になる。ビッグデータは、人々の意識に3つの大きな変化をもたらす。

①ビッグデータは限りなくすべてのデータを扱う
ビッグデータの世界では、無作為抽出のデータではなく、文字通り「すべてのデータ」を漏れなく処理できるようになった。従来は、数が膨大になる場合、そこから抜き出した標本に頼るほかなかった。すべてのデータが使えれば精度も高い。これまで見えなかった細部まで見えてくる。

②量さえあれば精度は重要ではない
物事を測ったり数えたりする能力に制約があると、どうしても一番大切な数値だけを優先してしまう。だから正確な数字にこだわろうとする。しかし、絶えず変化するデータが大量にある場合、何をおいても完璧な正確さをめざす必要はなくなる。ミクロレベルで見れば、若干不正確かもしれないが、マクロレベルで見れば、新たなひらめきが得られる。

③因果関係ではなく相関関係が重要になる
人間は原因がわからないとすっきりしない。しかし、重要なのは「理由」ではなく「結論」である。データ同士の間に何らかの相関関係が見つかれば新たなひらめきが生まれるのだ。
現在、アマゾンの売上全体の1/3は「おすすめ」とパーソナル化のシステムから生み出されているという。しかしサイト側は、ユーザーがなぜこうした商品や人物に関心を抱くのかなど、全く知らずに推奨しているのだ。

因果から相関の世界へ

世の中を理解する上では、ある現象について中身のある有効な仮説がなくてもいいのだ。ビッグデータを相関分析にかければ、データが答えを語り出すのである。

ビッグデータ時代が成熟すれば、相関分析による新たな洞察力が生まれ、予測の効果が高まる。過去には見えなかったつながりが見え始め、社会の複雑な力学が把握できるようになる。こうして、因果分析は主役の座を追われる事になる。ビッグデータは、物事の解釈の仕方を劇的に変える。

データによる物事の判断は、人間の判断を補完し、時に上回ることもある。これがビッグデータの最大の衝撃だろう。そのような形が普通になれば、統計学者やデータアナリストはともかく、それ以外の分野のエキスパートの影響力は弱まる。

データこそが競争優位の源泉

ビッグデータが競争力の源泉になるにつれて、産業界の構造が大きく変わろうとしている。大量のデータを持つ者は、ビジネスの素材を収集・蓄積している事になり、再利用で付加価値を生み出す事ができる。アップルが携帯電話に新規参入したのも、まさにこれが理由だ。

そして、ビッグデータは国家の競争力までも揺さぶる事になる。製造業が途上国に軒並みお株を奪われた状態では、先進国はデータとそれを活用するノウハウが競争優位の砦となる。