過去を振り返っても未来は創造できない
私達が将来の事を考える場合、過去を振り返り、過去の経験に基づいて行動する事が多い。つまり、自分の人生において新たな地平に至るビジョンを抱こうとはしない。過去を振り返ると、そこにあるのは大抵お粗末な成果である。すると、成果がお粗末なのは自分の能力がお粗末だからだと思ってしまう。
だが、多くの場合、お粗末な成果をもたらした原因は、モチベーションの低さとコミットメント不足にある。壁を乗り越える妨げになるのは通常、能力や知性の欠如ではないのだ。過去を土台にして未来を築くのは、未来を創造する方法としては適切ではない。
「過去に自分が達成できたこと」と「将来に自分が達成できそうなこと」とは全然違う事をしっかり理解しておく事が大切だ。
私達は自らの意識を高めなければならない。意識の高まりを体験するためにはまず、これまでいつも目を向けていた場所とは違う場所に目を向けること、自分の目に見えていなかったものに注意を向ける事が必要だ。
現実を違った目で見ること
厄介な状況から逃げ出しても何の解決にもならない。つらくても困難でも、目の前にあるものを受け入れる事が大切だ。それが否応なしに自分の限界を広げてくれる。苦境に立たされた時、自分の成長・発展に向けた数々のチャンスを逃してしまうのは、些細なものの中にひそむ価値が見えないからだ。こうあるべき、という偏見から解放される事がどんなに大事かほとんどの人は気づいていない。
人間はこの世に生まれる時、3つの思い込みが自分の中で形成される。
①自分には何か大事なものが欠けているという気持ち
②世界は危険な場所だという認識
③自分は全くのひとりぼっちだという思い
こうした孤独感や無力感といったネガティブな感情を克服するために、私達は手を打つべきだ。現実を違った目で見る事の大切さは、どんなに強調してもし過ぎる事はない。
魂が目覚めると別人になる
意識が目覚めるとは、それまでの世界とは全く違う現実に目覚める事を意味する。歴史を通じて様々な哲学の学派が「目覚め」の大切さを説き、断食、瞑想、詠唱、祈りなどの方法を提案してきた。魂が目覚めると、知恵、創造性、エネルギー、美、愛も目覚める。
但し、自分の好む時にいつでも魂を目覚めさせる事ができる訳ではない。私達にできる事はただ1つ、人間というものはまるで眠っているかのように人生を漂い流れている事が多い、と謙虚に認める事だ。この事を認めてはじめて、目覚めを実現させるための正しい条件を設定できるようになる。