様々な読書法を5人の著者がそれぞれ紹介。速読からスロー・リーディング、アウトプット術まで、異なる読書法が紹介されているため、自分に合う方法が見つかるかもしれません。
■良書を手にするための「選書術」(松山 真之助)
日本では毎年7万冊以上の本が出版されている。1日あたり200冊近い本が新たに書店に並んでいる計算だ。読書においては「選書」が非常に重要であり、読書の質が大きく左右される。
そもそも良書とは、自分にピッタリとフィーリングが合う本の事をいう。「なるほど!」と共感したり納得できる箇所がたくさんある本は良書といえる。「気づき」や「ひらめき」を与えてくれる本も良書と判断していい。選書のノウハウは次の通り。
・リアル書店とネット書店のメリット・デメリットを考えて使い分ける
・タイトル、帯を見て、第一印象が良い本は必ず内容を確認する
・前書き、目次をチェックして、内容を把握する
・アマゾンのレビューは、星の数よりコメントの内容を参考にする
・自分と趣味の合いそうな書評家を頼りにする
■デキる仕事人になるための「読書習慣術」(中島 孝志)
本の内容を確実に頭に定着させ、その知識を毎日の仕事や生活で活用する。これが読書術の基本だが、豊饒なアウトプットは膨大なインプットからしか生まれない。
・読書の範囲を広げる方法
①縁読:読んだ本の中で他の本が紹介されていたら、片っ端から読んでみる
②即読:誰かに薦められた本はすぐに読む
③追読:ある著者の本が気に入ったら、その著者の本を飽きるまで読む
・大量の本を素早く読むコツ
読書をする時、普通は1行ずつ読み進めていく。しかし、これではスピードが上がらない。そこで1行ずつではなく複数の行を一度に読む。最初は2行単位で読んでみて、4行単位、8行単位と行数を増やしていく。ポイントは、大きく広く、俯瞰して全体を読み取れるように心掛けること。
・不要な部分を読み飛ばす手抜き読書法
1冊の本は最初から最後まで全ページが重要な訳ではない。したがって、読書スピードを上げるには、遊びの部分をさっと流し、重要なポイントだけをじっくり読むようにすればいい。
「80:20の法則」を読書に当てはめると、1冊の中でキモとなる部分は20%しかなく、残りの80%は枝葉にすぎない。統計によると、キモが置かれているのは、冒頭部分20%、中間部分10%、終了部分70%であるという。従って時間がない時はラストだけを集中的に読むというのも手かもしれない。
・アタリをつけて読む
文章を読み出す前に、あらかじめどこがポイントなのか「アタリ」をつけてから読み始めた方が、より効率的な読書ができる。アタリをつけるには、前書き、目次、後書きの3つを参照するといい。
まず前書きをチェックし、その本のテーマや各章の概要をつかむ。次に目次を読んで、どの「面」を読むか先に決めてしまう。「面」のアタリがついたら、後書きに目を通し、今度は見出しになっている事が多いキラーフレーズ、「線」に注意しながら、チェックした項目をページ順に読んでいく。キラーフレーズの中に「点」となって含まれている「キラーワード」にも注意して読み進める。「面→線→点」の3段階で読むように心掛けると、ポイントを外す事なく読む事ができる。
著者 松山 真之助
1954年生まれ。ビジネス・アート研究所 代表 日本航空勤務の後、現在はメルマガ「Webook」編集長、ジェイカレッジ校長、K.I.T.虎ノ門大学院客員教授、東京藝術大学非常勤講師などを務める。
著者 藤井 孝一1966年生まれ。株式会社アンテレクト代表取締役 大学卒業後、大手金融会社でマーケテイングを担当。アメリカ駐在から帰国後、中小企業と起業家の経営コンサルタントとなる。 2002年「週末起業フォーラム」を設立。新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。
著者 中島 孝志1957年生まれ。経済評論家 PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家、出版・映画プロデューサー、大学・ビジネススクール講師、TVコメンテーター。 中村天風、安岡正篤の両巨人の思想を学ぶ「天生倶楽部」を主宰。ビジネスマンの研究会「キーマンネットワーク」を主宰し代表幹事をつとめる。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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Chapter1 大衆から抜け出すための「多読」の技術(成毛眞) | p.9 | 9分 | |
Chapter2 価値ある良書を手にするための「選書術」(松山真之助) | p.33 | 12分 | |
Chapter3 本を読み、活かすための「インプット・アウトプット術」(藤井孝一) | p.67 | 11分 | |
Chapter4 デキる仕事人になるための「読書習慣術」(中島孝志) | p.97 | 12分 | |
Chapter5 ゆっくりじっくり本を読む「スロー・リーディング」の勧め(平野啓一郎) | p.131 | 10分 |