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2013/05/25更新

農業維新

134分

2P

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零細農家に補助金をばらまいても農業は活性化しない

2010年、専業農家の割合は27.7%。しかし、これは農家の高齢化が進み、勤めを定年退職して農業外の収入がなくなったケースがかなりの数にのぼり、65歳未満の生産年齢人口のいる専業農家は10%を割り込んでいる。片手間に農業をやっている農家がほとんどなのである。

2011年の農家世帯の平均総収入は約951万円だった。兼業農家の収入は一般のサラリーマン世帯を大きくしのぐ。通常の勤労者としての収入に加えて、週末に農業のアルバイトをしているようなもので、しかも各種補助金までついてくる。

農業を収益性のある産業にするためには「農」ではなく「農業」を育てていかなければならない。儲かる専業農家、それも大規模農業を推進する農業法人を育成しなくてはダメなのである。にもかかわらず、農政は「農業」を推進するどころか、「農」を維持するようなバラマキばかりを行っている。戸別所得補償制度がその代表で、2011年には約5600億円、2012年には約1兆円もつぎ込んでいる。儲からない「農」を行っている農業関係者の方が圧倒的に多いからだ。

「儲かる農業」に転換せよ

「農」を「農業」に転換するためには、次の2つが重要である。

①人材の育成
これまで農家は生産技術さえ学んでいれば良かった。しかし、農業を産業化するためには、営業や販売のノウハウも学んでいかなければならない。
農業活性化のために農業の就業人口を増やそうという事が言われるが、ただ就業人口を増やすだけでは意味がない。雇用を創出できる農業経営者を育成しなければならない。

②大規模化の推進
小さく細切れになった農地を集約し、大規模化する事は不可欠である。そして、効率の悪い山の中の耕作地はタヌキやイノシシに返して、平地に農地をシフトするべきだ。

アパート型農場で農業経営者を育成する

農地法が改正されて、多くの企業が農業に参入した。しかし、多くの企業が大幅な赤字を抱え撤退を余儀なくされた。異分野の企業による農業参入が失敗に終わるのは「農業経営」のノウハウが不足しているからである。農業は風土や気象、土壌の状態など、その土地の条件によって生産ノウハウが異なる。

そこで、農業に参入する企業のリスクを軽減するために、法人向けの農業経営リーダー研修所として開設したのが、トップリバーの「アパート型農場」構想である。30ha程度の農場を確保し、3〜7haくらいの区画に分割して、農業参入を希望する企業や個人に入居してもらい、研修を行う。ここから成功事例を作れば農業は、将来有望な産業として、人々に認知されるようになるのである。