888メカニクス
某コピー機販売会社では、多くの営業マンが飛び込み営業をしていた。そんな中、1人の営業マンは、担当エリアの事業所を回り、使用中の事務機器のメーカーとリース料、契約期間、1日のコピー枚数を調べた。データが完成した後は、更新期が来た事務所を訪問し「この機会にコピー機を変えると、こんなに節約できます」と切り出すだけで、面白いほど契約が取れた。コンバージョン・レートを8割と見積もると、成功率は次のように想定できる。
訪問成功率(80%)×提案成功率(80%)×クロージング成功率(80%)=商談成功率51.2%
相手のニーズが顕在化するタイミングがわかる。自社の商品やサービスに競争力があり、顧客の意思決定者にアプローチできる。顧客から信頼を得ている。こうしたインフラが整うと、効力を発揮する。
とにかくアポ数と訪問数を増やすのが近道
3ステップをクリアできる成功率は、業界や販売スタイルによって、一定の確率に収斂する。この標準モデルのメカニクスを応用すれば、営業やマーケティングの確率計算ができる。
ルートセールスや法人営業は、成約確度が高い。それでも最終的な成功率は約13%ほど。555メカニクスと呼べる標準モデルである。ここで結果を出すには、何よりも訪問数を稼ぐこと。事前にアポ数を積み上げる事が肝心となる。
335メカニクス
小売店での販売、ネット販売、飛び込み営業など、不特定多数相手の商売では、購買まで辿り着ける確率は悲しいぐらい低い。
訪問成功率(30%)×提案成功率(30%)×クロージング成功率(50%)=商談成功率4.5%
よって最初から5%しか成功しないと割り切り、行動をする事が求められる。また、それを支える心の持ち方や姿勢も重要。飛び込み営業の場合には、訪問の前に「面会させてもらう」というさらに高い壁もある。成果を出すには、とにかくアタック数を増やすしかない。
物事を正規分布で考える
テストの成績、身長や体重、株価の上下など世の中の多くの物事は正規分布になる。
偏差値70〜80:2.3%
偏差値60〜70:13.6%
偏差値50〜60:34.1%
偏差値40〜50:34.1%
偏差値30〜40:13.6%
偏差値20〜30:2.3%
正規分布で身の回りを理解すると、過剰な期待や不必要な悲観論で一喜一憂せず、冷静に可能性を感じられる。この正規分布を前提に決まるのが偏差値。基準点となる平均値は50である。
自分が売る製品やサービスの偏差値を把握しておけば、何を伝えるべきか道筋が見える。偏差値が低い商品ならば、値下げやメンテナンスや対応力で補うなど、売るアイデアを考える必要がある。