京都大学の研究室で生まれ、全国大会も催されることになった書評ゲーム「ビブリオバトル」の始まりや遊び方を書いた入門書。東京都では都立中高にも導入を図っており、いまや教育の現場でも広がりつつあるビブリオバトルの魅力がわかります。
■ビブリオバトルとは何か
ビブリオバトルは誰でも遊べる、誰でも開催できる、本の紹介を中心にしたコミュニケーションゲームだ。ビブリオバトルというゲームを仲間と遊ぶだけで、面白い本に出会える、お互いの事を知る事ができる、自分の興味や読んだ本の面白さを知ってもらえる、プレゼンのトレーニングになると、大学、会社、まちづくり団体、小中高校、図書館、書店など様々なコミュニティで注目されている。
ビブリオバトルのルールは、4つの項目で表現される。
①発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる
②順番に1人5分間で本を紹介する
③各発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分行う
④全ての発表が終了した後「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員1票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする
簡単に言ってしまえば「本の紹介ゲーム」だ。
■ビブリオバトルの遊び方
①コミュニティにおいて参加者を募る
参加者は、主催者、発表参加者、聴講参加者の3つに分けられ、発表参加者が主役となる。できるだけ皆が発表者側にまわれるように心配りしたい。ただ、1人発表5分と質疑2〜3分で合計8分程度を要するため、4〜6人程度の発表者が適当である。
②書籍を自分で選び持ってくる
書籍は本人がこれぞと思った本を持ってこよう。発表者自身が本を選ぶ事で、その本自体が発表者の個性を表現したり、どんな事に興味を持っている人間なのかを説明してくれる存在になる。
③発表と質疑応答を行う
発表者の順番の決め方は決まっていない。発表順が決まると、カウントタイマーを準備し、各発表者がそれぞれ5分で、読んできた書籍について順番に口頭でプレゼンテーションを開始する。発表後には、2〜3分程度で聴講参会者を含めた全員でざっくばらんに議論を行う。「どの本が一番読みたくなったか?」の判断を後でするための材料を聞くようにしよう。
④投票で『チャンプ本』を決める
「どの本が一番読みたくなったか?」という基準での投票を行い多数決でチャンプ本を決定する。『チャンプ本』はそのコミュニティだからこそ選ばれた1冊となり、書店の売上ランキングやネット書店の購入推薦とは全く異なるものとなる。実際のところメジャーな本は勝ちにくく、「なんだその本?」という意外性のある本がチャンプ本に選ばれる事が多い。
著者 谷口 忠大
1978年生まれ。立命館大学情報理工学部知能情報学科准教授 ビブリオバトルの考案者。
帯 東京都知事 猪瀬 直樹 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
週刊 ダイヤモンド 2013年 6/22号 [雑誌] 法政大学教授 横山 泰子 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに ビブリオバトルって何? | p.7 | 7分 | |
プロローグ そんな日常の「ビブリオバトル」 | p.19 | 34分 | |
第一章 ビブリオバトルの遊び方 | p.75 | 17分 | |
第二章 ビブリオバトルはどうして生まれたのか? | p.103 | 18分 | |
第三章 本と出会い人を知るためのテクノロジー | p.133 | 21分 | |
第四章 広がるビブリオバトル | p.167 | 33分 | |
エピローグ いつか会えたら「ビブリオバトル」の話をしよう | p.221 | 22分 | |
あとがき | p.257 | 3分 |
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) [Amazonへ] |