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2013/05/03更新

二流でいこう ~一流の盲点、三流の弱点~

118分

1P

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三流から階段を駆け上がってきた人気デザイナーの仕事論

デザインと消費を考える「D&DEPARTMENT PROJECT」を展開するデザイナー、ナガオカケンメイ氏による仕事論。自身の三流から始まった人生を振り返りながら、一流の考えと三流の悩みの両方を知る二流には、重要な役割があると説く。


■コンプレックスが人を伸ばす
僕はコンプレックスを持っている。最終学歴が高卒というものだ。学歴社会の中で、エリートと呼ばれる人に引け目を感じ、時には基準外と区別されるというわかりやすい扱いも受けた。高校を卒業し東京に出てきてデザイナーとして働き始めた時、僕は社会にはいろいろな序列がある事に気づいた。上司と部下、クライアントとデザイナー・・・。

どうしようもないコンプレックスの中で、学歴のある人たちと対等に渡りあるには「開き直り」が必要で、「彼らにはできないこと」を獲得するしかないと思って、そうしてきた。人を伸ばす要素の1つとして「コンプレックス」がある。他人からするとなんでそんな事に、と感じるような妙な意識やプライドが、オリジナルな発想へのこだわりと、社会でバランスをとる事を教えてくれた。

超短要約

一流の人たちの言葉や情報は、素材そのままではなく、調理がされている。二流の人は、職人がつくったお寿司を食べに行って「ああ、仕事してるな」と思うように、一流の言葉を理解して味わえる。でも三流の人は、食べてみておいしいと感じるだけ。そうしておいしいかがわからず、たぶん素材がいいからだな、くらいにしか思えない。

一流の経験と三流の悩み、この2つを理解し、翻訳し、伝える事ができるのは、一流と三流を知る二流だけ。一流と三流の「世話をする」のが二流の役割とも言える。

三流は自分、二流は自分と社会、一流は社会。

二流の役割で最も重要なのは、個人的なことと社会的な事をいかに両立できるか。ビジネス的な側面からしても、文化的な側面からしても、二流の意識がしっかりしていないと、産業も文化も底上げされる事はない。

著者 ナガオカケンメイ

1965年生まれ。D&DEPARTMENT PROJECT代表 デザイナー 1989年の朝日広告賞受賞後、日本デザインセンター原デザイン研究所を経て、1997年ドローイングアンドマニュアルを設立。2000年、デザイナーが考える消費の場を追求すべく、東京・世田谷でデザインとリサイクルを融合した新事業「D&DEPARTMENT PROJECT」を開始。 2002年、大阪・南堀江に2号店を展開する。同時に、日本のものづくりの原点商品、企業だけが集まる場所としてのブランド「60VISION」(ロクマルビジョン)を開始。現在までに、カリモク、アデリアなど12社がプロジェクトに参加。 現在、地場の若い作り手とともに、日本のデザインを正しく購入できるストアインフラをイメージした「NIPPON PROJECT」を47都道府県に展開中。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.8 1分
第1章 僕は三流からはじまった。 p.11 19分
第2章 一流と三流を知る。 p.49 25分
第3章 ナガオカケンメイという二流。 p.99 18分
第4章 だから、二流でいこう。 p.135 17分
あとがき p.170 2分

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