投資ファンドで働きながら、パートタイムでNPOを運営し、貧困削減に取り組む著者が、パートタイム組織でアクションを起こす方法を紹介。自身の活動を事例にしながら、どのようにして働きながら、自分のやりたいことを実現すれば良いか、そのポイントを示す。
■パートタイム組織でアクションを起こす
パートタイムの活動であっても、社会により大きなインパクトをもたらし、世界をよりよい場所にする事ができる。パートタイムでの活動に限界がある事は否定しないが、パートタイムだからこそできる事もある。
①会社を辞めたり、何かを犠牲にしなくても、気軽に始められる
②働きながら、かつ自分の仕事を活かし、社会に貢献できる
但し、パートタイムで何かをしたいのであれば、本業をおろそかにしないこと。自分の事がちゃんとできない人が、他の事にも手を拡げようとするのは、正しいように思えない。さらに本業できちんとパフォーマンスを出す事ができないのなら、パートタイムにおいてもスキル不足になりがちになる。
■パートタイム組織でアクションを起こす方法
より大きなインパクトは、テコの重さである自分の労力に仲間の労力を加え、そこにテコの長さである組織の効率を掛け合わせて、成立する。
インパクト = (自分の労力+仲間の労力) × 組織の効率
①自分の時間を作り出す
・自分にとって大切なことを見分けること
・スケジュールを調整してまとまった時間をつくること
・日頃の仕事の効率を上げること
②仲間をつくる
・人が大切にしているものを提供できる組織をつくること
・コアメンバーとサポートメンバーのバランスをうまくとること
・仲間と一対一で信頼関係を積み上げること
③組織の動きを飛躍的に高める
・ポジションを明確に決めること
・課題解決の好循環をしっかり回すこと
・組織の中に流れる情報をオープンにすること
・便利な技術を使いこなすこと
どんな優れた仕組みや道具があっても、それを使う人がいなければ、意味がない。何より大切なのは、自分自身のアクションだ。
著者 慎 泰俊
1981年生まれ。NPO法人Living in Peace 代表理事 モルガン・スタンレー・キャピタルを経て、現在はPEファンドの投資プロフェッショナルとして様々な事業の分析・投資実行・投資先の経営に関与。仕事の傍ら、2007年にNPOであるLiving in Peaceを設立し、カンボジアやベトナムなどで貧困層の金融へのアクセスを拡大するために日本初の「マイクロファイナンスファンド」を企画。
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2013年 05月号 [雑誌] |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 05月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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世界をよりよい場所にしたいと思っている人へ | p.4 | 4分 | |
Part1 準備編 本業とパートタイムの二軸で働く | p.21 | 25分 | |
Part2 実践編 パートタイム組織でアクションを起こす | p.85 | 44分 | |
おまけ アクションへの一歩 | p.199 | 4分 | |
とにかく始めよう | p.210 | 0分 |
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