企業文化を殺す5つの要因
多くの組織では過剰なプロセスが企業文化となり、イノベーションに火をつける要素(創造性、疑問を抱くこと、リスクを取ること)が消えかけている。企業文化を殺す要因は次の5つ。
①権限は与えるが、行動させない
②リーダーが人ではなく、プロセスに目を向けている
③ミーティングへの過剰な依存
④ビジョンの欠如
⑤マネジメントが一方的に裁決を下す
我々はビジネスをネガティブな文化や自己満足の文化から解放しなくてはならない。そうすれば顧客のニーズに焦点を当て、ビジョンを実行に移し、トレンドを活かす事もできる。また、ビジネスの簡素化を図り、必要以上の複雑さを排除する必要がある。
会社をつぶせ
エクササイズ「会社をつぶせ」は、「競合相手が我々を打ち破るにはどうすればいいのか」と通常と逆の問いかけをするものである。チームのプロジェクト、機能、ビジネスについてそれぞれの脆弱性を分析し、今すぐに変えるべき項目に焦点を当てる事ができる。やり方は次の通り。
①ミーティングを開き、営業部、開発部など様々な部署から社員を出席させる
②社員が会社にとって最大の競合相手だと仮定し、次の質問を問いかける
「あなたの会社を廃業に追い込むとしたら、何をするべきだろう?」
③できるだけ多くのアイデアをブレインストーミングする
④会社を破綻させる攻略法をすべて挙げたら、次の方法で整理する
・最大の脅威から最小の脅威の順に、あるいは解決しやすい順にテーマごとに並べる
・ビジネスへの影響度、発生の可能性に応じて2×2のマトリックス表に位置付ける
⑤競合の戦術をどうやって阻止するか問いかける
最もらしいプログラムや自己満足のためのブレインストーミングは必要ない。イノベーションは、自分達の会社がつぶされる姿を想像する事から始まるのである。
ばかげたルールをつぶせ
競合相手に狙われやすい弱点がはっきりした今、最初のステップは、考える仕事ができるように、仕事のための仕事を削減する事だ。「ばかげたルールをつぶせ」を使えば、どこで変化を起こせばいいのかを究明できる。やり方は次の通り。
①チームを集め、各自パートナーを見つけてペアにさせる
②10分間を与えて、次の質問に答えさせる
「もし業務や顧客へのより良い対応の妨げとなる規則があり、その規則をつぶすか、変えられるとしたら、それはどれか」
③規則の中で最悪のものを書き出し、ビジネスへの影響に応じたマトリックス表に位置付ける
④今すぐに変えたい規則を、直ちにその場でつぶしてしまう
現状のあり方を徹底的に見直したいのなら「会社をつぶせ」をやってみよう。だが、小さなスタートを切りたいのなら「ばかげたルールをつぶせ」から始めよう。